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郡山市

郡山市民なら知っておきたい!観光コースをベースに安積開拓の歴史をまわってみた!

郡山市観光協会のサイトに、新しく観光コースが検索できるページが出来たそうです。「住んでいる郡山市民の自分には関係ないわ~」って思っていたら、ちょっともったいないかもしれませんよ。

なぜなら、
「郡山市って観光地じゃないから何も自慢できるところがない!」
「県外から友人が来た時、案内できるところがない!!」

常日頃、こう嘆いている郡山市民は多いのではないでしょうか?

そんな時、この検索サイトなら郡山駅・磐梯熱海駅を起点に、2~3時間コースから1日コースまで郡山市と周辺エリアの観光コースが検索できるんです。

↓こちらがトップページ。

右側の時間、出発地点、移動手段を選んでクリックすれば、
春なら桜をめぐる「桜咲く!こおりやま春ドライブコース」、
郡山の歴史をめぐる「まちなか散策歴史コース」の他、
名物の薄皮饅頭や酒蔵をめぐるコース、
など現在63ものコースを紹介。

しかも、徒歩、電車、車と移動手段も選択できるので、観光だけじゃなくウォーキングやサイクリングコースの参考にしてみるのも便利!

おすすめ!観光コースのサイトはこちら↓
https://www.kanko-koriyama.gr.jp/course/

とはいっても、「知ってはいるけれど地味なスポットばかりでしょ?」とまだ興味を持てないみなさん。それでは、紹介されているコースの中でarukuスタッフが最も興味を持った「大久保利通『最後の夢』日本遺産ストーリーを辿るドライブコース」を実際にまわってみました!

参考にしたコースがコチラ↓
https://www.kanko-koriyama.gr.jp/course/detail.php?course_no=36&TIME_NO=3&START_POINT=&TRANSPORTATION_NO=


コースルートは、郡山駅→麓山公園→郡山市開成館→安積歴史博物館(旧福島県尋常中学校本館) →沼上発電所→十六橋水門の順で、車で一日かけて回るコースとなっています。

なぜこの渋いコースを選んだかというと、話を聞けば聞くほど、実は安積疏水が凄い施設であり、郡山市の未来を賭けた一大事業だったということを知ることができたから。郡山市民なら誰もが小学校の授業で必ず習う「安積疏水」。「十六橋水門」、「ファン・ドールン」など教科書で知ってほんのり覚えている方も多いのでは?

この開拓事業、実は明治新政府が国家土木予算の1/3を投資したという、とてつもない国家事業だったのです。さらに、その予算を通したというのが明治の偉人、大久保利通。(採決された次の日に暗殺されてしまいました。)そして、3年の年月を費やし、延べ85万人(現在の郡山市人口の約2.5倍分!)の労働力を注ぎ込みました。

そして、疏水を利用した水力発電のうち、日本で2番目に古い水力発電所「沼上発電所」は当時の日本では初となる「高圧電力の長距離送電」、つまり長~い距離を送電することに成功していたりするのです。

さらに安積開拓の発祥の地でもある開成山公園や開成山大神宮も、実は日本では唯一!という知られざるエピソードを持っています。

ここまで読んで、ちょっと興味がわいてきたあなた。それでは、arukuスタッフがまわった大久保利通『最後の夢』日本遺産コースをご紹介します!
※紹介コースは郡山駅からですが、安積疏水をめぐるコースなのでスタート地点である猪苗代湖からまわりました。

スポット① 猪苗代湖をダム化せよ!十六橋水門


安積疏水の歴史を語るには、まずは絶対外せない「十六橋水門(じゅうろっきょうすいもん)」。(国道49号線を会津方面に走っていると、猪苗代湖を過ぎるあたりでチラッと見えます。)
でも、この水門があるのって会津側じゃない?郡山とは逆だよ?—そう、十六橋水門は安積疏水のスタート地点と勘違いしている方もいますが、“猪苗代湖の水を安定して郡山方面へ流すため”に、ここで湖の水位を調整させるダムの役割をしているのです。この水門があることで、24時間365日、郡山方面へ安定して水の供給ができるのです。


(写真引用:https://www.city.koriyama.lg.jp/shiseijoho/3/8797.html
こちらが明治15年完成当初の水門。16の石組アーチ型で造られた眼鏡橋は、当時の日本では最長の水門でした。安積疏水の歴史はここから始まったんですね。


水門の脇に立つのが、水門の設計を任されたオランダ人技師ファン・ドールンの銅像。足元をよく見ると、コンクリートで後で付け加えられたのがわかります。
これは、第二次世界大戦中に武器の材料確保のため金属供出の指令が出されましたが、地元農民たちの手で銅像を山に埋め隠して紛失したふりをし、終戦後、2年経ってから掘り出したというエピソードが残っています。このエピソードはオランダにも伝えられ、ファン・ドールンの生誕地であるオランダのブルメン市と郡山市は昭和63年に姉妹都市となっています。

所在地:耶麻郡猪苗代町翁沢大字船場~会津若松市湊町赤井戸ノ口

スポット②発電し続けて121年!日本で2番目に古い「沼上水力発電所」

水門の次は水力発電所へ向かいます。その前に、現在の安積疏水のスタート地点である上戸頭首工へ。


49号線沿い、上戸浜駐車場のすぐわきにあります。現在と記したのは当初の取水口はここより南に位置したところにあったから。猪苗代湖上戸(じょうこ)地区にあり、昭和37年に完成。以後、私たち郡山市民の大事な水源地点として頑張ってくれています。

そしてここから郡山市方面へ約10分ほど走った所にあるのが「沼上発電所」。

国内で2番目につくられた水力発電所で、明治32年に運転を開始しました。つまり120年以上、現役バリバリ(言い回しが古い)の発電所!当時の最先端技術が集約された日本初の高圧電力の長距離送電により、郡山市の紡績や繊維産業の発展に貢献したそう。


発電所の中には入れませんが、発電所の脇にある落差約40mの飛瀑は見ごたえがあり、夏はひんやりスポットとして楽しめそう。

【上戸頭首工】
所在地:耶麻郡猪苗代町上戸地区
【沼上発電所】
所在地:郡山市熱海町安子島

スポット③春は桜のスポットに!竹之内発電所


次に向かったのが大正8年に運転開始した「竹之内発電所」。令和元年に100周年を迎え、こちらも現役の水力発電所です。


ここは地元磐梯熱海の桜の名所でもあり、導管に沿って咲くソメイヨシノは国道からも眺めることができます。でも、ちょっと坂道を上がりますが、ぜひ近くまで行って見てほしい!
所在地:郡山市熱海町安子島竹ノ内

スポット④造りはなんと東京駅と一緒!丸守発電所と安積疏水神社


磐梯熱海温泉街を流れる五百川沿いに佇む赤レンガの外観が印象的な丸守発電所。大正10年に建設され、当時は大峰発電所と呼ばれていました。東京駅と同じ建築方法を採用しており、近代日本の風格を感じますね。そして緑に映える!

丸守発電所に行ったならここも寄ってほしいのが、徒歩3分のところにひっそりとたたずむ安積疏水神社。安積疏水の守り神とされ、当時の工事作業員が、現地に向かう際に必ず立ち寄り、その日の安全を祈ったそうです。

所在地:郡山市熱海町熱海5丁目

スポット⑤安積開拓を機に開校した「旧福島県尋常中学校本館」(安積歴史博物館)


安積開拓・安積疏水開拓事業によって産業発展とともに、人口も増加した郡山市。継続的に街を発展させるためには、人材育成が急務となりました。そこで設置されたのが尋常中学校。現在の県立安積高校の敷地内にある歴史博物館です。


古い木製の机と椅子が並ぶノスタルジックな教室風景や、アンティークのランプやシャンデリアが印象的な講堂など、館内は撮影スポットだらけ。カメラ愛好家に重宝されているほか、テレビや映画のロケ地にも使われており見学もできます。

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旧福島県尋常中学校本館(安積歴史博物館)

Googleマップ

郡山市開成5-25-63

    開館時間/10:00〜17:00
    休館日/月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始、1月〜2月末は土日祝のみ開館
    入場料/一般300円、高校以上200円、小中学100円

      スポット⑥安積開拓の中枢部!郡山市開成館


      『開成館』は、明治7年(1874)に区会所(郡役所の前身)として建築され、安積開拓の本部となる「福島県開拓掛(かかり)」が置かれた場所。つまり県庁や市役所にあたる所ですね。(この記事を書くまで、実は行ったことも入ったこともありませんでした…)

      実際に見てみると意外と大きく、洋風だけどちょっと中国風なデザインも入っています。地方にはまだ洋風の建築法が伝わっておらず、地元の大工たちが苦労の末建てた擬洋風建築(西洋風に似せた建物)なのだそう。明治天皇が東北を訪れた際の宿泊地や昼食会場になったりと、特別な施設だったんですよ。


      現在は、安積開拓を中心とした資料が展示され、純和風の職員用官舎1棟と開拓民の家2棟とともに一般公開されています。縁側があって日当たりが良くて、住み心地が良さそうです。伊藤博文、松方正義などが県内に訪れた際に宿泊したとも伝えられています。
      ※事前予約をすれば、ボランティアの方が詳しく案内してくれますよ。

      SHOP INFO

      郡山市開成館

      Googleマップ

      郡山市開成3-3-7

        開館時間/10:00〜17:00(入館は16:30まで)
        休館日/月曜(但し月曜が祝日の場合はその翌日)、年末年始
        入場料/大人200円、高校・大学生等100円、65歳以上・中学生以下・障がい者手帳等交付者無料、団体料金(20名以上)一般150円、高校・大学生等70円

          スポット⑦日本最古のサクラ「染井吉野」がある開成山公園と、日本で唯一の伊勢神宮の分霊・開成山大神宮


          市民の憩いの場・開成山公園。春はお花見スポット、夏はビール祭り、スポーツ大会や音楽フェスなども開催され、子どもから大人まで集うスポットです。

          そんな開成山公園は安積開拓の発祥の地。開成山公園の桜は開拓者たちが植えたとされていますが、これまで日本最古とされていた青森県弘前市の”弘前公園の染井吉野”より古い、明治11年植樹の染井吉野であることが樹齢調査により分かりました。この桜たちは郡山の開拓の歴史をずっと見てきたんですね~。


          開成山大神宮側の入り口近くには、平成3年に建設された「開拓者の群像」が。
          左から中條政恒、大久保利通、ファン・ドールン。安積野の未来を見つめながら語り合っているようです。隣にいるファミリーは郡山市民を表しています。


          安積国造神社と並び、郡山市民の2大初詣スポット・開成山大神宮。
          ここも「実は」な由来があります。全国から集まった安積開拓民のよりどころとして、明治8年に開拓の始まりとともに創建された社は、日本ではここだけという伊勢神宮の分霊が奉納されています。そのため、『東北のお伊勢さま』という別名も。お参りしたことがある方なら知っているかと思いますが、伊勢神宮の習わしと一緒で「鈴」と「鈴緒」がありません。

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          開成山公園

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          郡山市開成1-5

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              開成山大神宮

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              郡山市開成3丁目1-38

                  スポット⑧安積疎水の最終地点の一つ・麓山公園の飛瀑


                  麓山公園にあるこの滝は、明治15年に安積疏水の通水を記念して造られたもの。通水式には政府の岩倉具視右大臣などが出席し、盛大に行われました。

                  完成当初の有志たちの記念写真。※危ないのでマネして乗っちゃダメですよ!

                  最初、これを見た岩倉具視氏が『農業用の施設なのに鑑賞用に使うとは何事か!』とめちゃくちゃ怒ったそうですが、実は勘違いで製糸業の動力源として利用するためのものだったという逸話もあります。
                  所在地:郡山市麓山1丁目地内

                  かつては小さい宿場町だった郡山市。原野だらけだったこの地に、安積疏水が文字通り潤いをもたらし、さらに発電所の設立で近代日本の産業や戦後の発展の動力となりました。郡山市は今や東北で第2位の商業地。私たちもその開拓精神を受け継いでいきたいものですね。

                  「大久保利通『最期の夢』日本遺産ストーリーを辿るドライブコース」
                  https://www.kanko-koriyama.gr.jp/course/detail.php?course_no=36&TIME_NO=3&START_POINT=&TRANSPORTATION_NO=

                  郡山市観光協会 おすすめ!観光コースのサイトはこちら↓
                  https://www.kanko-koriyama.gr.jp/course/

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