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須賀川市

人に贈ってついつい話したくなる、「内藤酒店」の物語のあるお酒3選

みなさんはお酒を買うとき、どこで買っていますか?今はスーパーやコンビニなどどこでも簡単にお酒が手に入りますが、他ではなかなか手に入らない珍しいお酒を探したり、自分の好みに合わせたお酒を提案してもらいたいならやっぱり酒屋さんで買うのがおすすめです。中でも須賀川市にある『内藤酒店』のモットーは、全国的な知名度や人気でお酒を選ぶのではなく、3代目店主の内藤直さん自ら全国各地の蔵元まで足を運び、造り手のこだわりに惚れ込んだものを揃えること。蔵元に変わってそのお酒の魅力を届けてくれる架け橋的な存在です。今回は数あるこだわりのお酒の中から、内藤さんが特に想い入れが強いという3種類を聞いてきました。

3代目店主の内藤直さん

物語のあるお酒・果実酒編

酒販店と蔵元が共同開発した、従来の果実酒の常識を超えた果実酒

くまんばち(北岡本店・奈良県)/とろ梅(明利酒類・茨城県)

aruku: 内藤酒店さんといえば「くまんばち」というくらい大人気ですよね。私も飲んだことがありますが、びっくりするくらい果肉が入ってて、今まで飲んだ果実酒とは全然違いました!

内藤さん: そうですよね。ふだんお酒が苦手な方でもくまんばちは美味しい!というお客様も本当に多いんです。これまで一人で晩酌していたけどくまんばちがきっかけで娘さんと一緒にお酒を飲むようになったというお父さんや、くまんばちでお家女子会をしたいからと一升瓶を買い求めに来られた方もいましたね。果実酒ってそんなに変わらないと思っている方もいるかもしれませんが、これは他の果実酒とは全く別物!ぜひ飲んでほしいです。

aruku: 「くまんばち」はどのような経緯で取り扱うことになったのですか?

内藤さん: 「くまんばち」は元々、全国の酒販店が取引のある飲食店から寄せられた「こんな果実酒がほしい!」という声を蔵元に届け、開発がスタートしたお酒です。最近の若い人の間ではお酒離れが進んでいますが、そうした人でも美味しく飲めるよう、従来にはない果肉感とアルコールをあまり感じない飲みやすさを追求しました。

果肉がたっぷり!

aruku: 確かにあんまり「お酒!」って感じがしないですよね。それに種類もたくさんあるから選ぶ楽しさもありますよね。

内藤さん: 全部で15種類もあります!先日、蔵元さんに直接聞いたんですが、「くまんばち」は年々果肉の量が増えているそうです。さらに美味しいものを届けたい!という想いが素敵ですよね。一番人気の「とろ梅」は、発売前の商品会議にも参加させてもらいました。「とろとろ感」をわかりやすく伝える商品名にする事で悩んだのを今でも覚えています。その後、全国の梅酒大会、来場者試飲投票2位に選ばれたときは、自分のことのように嬉しかったですね!他にも4月からの期間限定で本数もごくわずかしか製造しない「白いちご」や、くまんばちの蔵元がある奈良県で地元のおばあちゃんが漬けたしそを果実酒にしてほしいとの声から生まれた「国産しそ」など、印象的なエピソードは尽きません。

国産しそ

aruku: くまんばちのことを話し出すと止まらなくなりますよね(笑)。それだけ想いが伝わってきます。何より県内ではここでしか買えないというのも特別感があります。

内藤さん: 蔵元の想いに共感した選ばれた酒販店でしか取り扱っていないので、全国でも26カ所でしか買えません。少しでも多くの方に(遠方の方でも)注文いただければ地方配送も承っています。実際にギフトとしても人気が高く、半数近くを占めるくらいです。

aruku: 絶対もらったら嬉しいです!15種類もあるので飲み比べてみたり、季節と合わせた種類を選んだりといろんな楽しみ方もできそうですよね。

くまんばち15種類

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物語のあるお酒・日本酒編

大吟醸並みに手間ひまかけた、大分の小さな酒蔵で造られる極上の一本

丹誠(たんせい)・ゆすらもも(吉良酒造・大分県)

内藤さん: 次に紹介したいお酒が大分県にある吉良酒造の「丹誠(たんせい)」という日本酒です。親子2人と蔵人数名で営む小さな酒蔵で年間約100石、一升瓶だと10,000本ほどしか作られていないお酒です。

aruku: 九州で日本酒!?ちょっと意外な感じがしますね。いったいどんなお酒なんですか?

内藤さん: 大きい酒蔵だと仕込みタンクをたくさん持っているので、大吟醸用のタンク、純米酒用のタンクと分かれていてそれぞれで仕込みの期間が違っているのが一般的です。でも吉良酒造は小さな酒蔵なのでそれができません。ではいったいどうしているかというと、全ての種類の日本酒の醪期間を30∼40日間おきます。(通常は20日間程度です)大吟醸並みにじっくり低温で時間をかけて発酵させているんです。つまり、一番高価な大吟醸なみの丁寧さで全てのお酒に手間ひまがかかっているんです。

aruku: 日本酒ってついつい名前で選んでしまいがちですが、知らないところにもこだわりのお酒が隠れているんですね。

内藤さん: 実際に作っているところも見せてもらいました。とっても穏やかな人たちでね。でも仕事にはとことんこだわって向き合っている、この人たちのお酒をたくさんの人に知ってもらいたいと思いました。そうそう、同じ吉良酒造で作られた「ゆすらもも」もすごいですよ!日本酒の甘い・辛いを見分ける一つの目安となる日本酒度(マイナスだと甘口・プラスだと辛口)がなんとマイナス70度!味わいもすっごくフルーティーで多分、目を閉じて味わってれば白ワインと間違うんじゃないかな。

ゆすらもも

aruku: 何それ!?めちゃくちゃ気になります!これも内藤酒店さんでしか買えないんですよね?

内藤さん: 直接蔵元さんと取引して仕入れていますし、本当に小さな酒蔵なのでおそらく県内ではうちだけだと思いますよ。

物語のあるお酒・焼酎編

震災で挫けそうな気持ちを励ましてくれた、有名銘柄にも劣らない芋焼酎

蟻(芋・麦) (神川酒造・鹿児島県)

内藤さん: 最後に紹介したいのは、実は私が一番好きなお酒である焼酎から(笑)。鹿児島県神川酒造の「蟻」という芋焼酎です。

aruku: このお酒にはどんな想い入れがあるんですか?

内藤さん: ここの酒蔵にも行ったことがあるんですが、鹿児島県の鹿屋市というところの周りが森に囲まれた照葉樹林の中にポツンと酒蔵があって(笑)。でも、ここはプレミア価格がつくことでも知られる某有名銘柄の技術指導をした方が手がけた酒蔵なんです。プレミアがつくことはありませんが、引けをとらないくらいおいしいですよ!

神川酒造

aruku: へー、私はふだんあまり焼酎を飲まないんですがちょっと気になります。味の特徴はどんな感じですか?

内藤さん: 焼酎はどちらかというと風味を楽しむお酒なので、正直「びっくりするほど他と違う!」という感想や分かりやすい特徴は感じにくいかもしれません。でも、はっきり主張をしない中でも素朴で飲みやすいお酒です。値段もお手頃なので毎日の晩酌にちょうどいいかもしれませんね。

aruku: ところでこの「蟻」というネーミング、インパクトがありますね(笑)

内藤さん: 確かに印象に残りますよね。実はこのお酒を取り扱うようになったのが2011年の5月だったんです。震災の爪痕が大きく残る時期で、そんな時このお酒に書かれていた「蟻は知ってる こつこつ歩むことが、幸せの近道だと」という言葉にずいぶん励まされました。何だか自分の姿と重なっちゃってね。だからなおさら愛着が沸くんです。実際、今ではうちで扱う焼酎の中でも上位の売り上げを誇るまで成長して、まさにこつこつ努力を続けることの素晴らしさを体現してくれているお酒かもしれませんね(笑)

aruku: そのエピソードを聞くと贈り物にも素敵ですよね。結婚記念日やお店の○○周年のお祝いとか!

お酒を買うならやっぱり酒屋さんが一番!

aruku: それぞれのお酒に物語があって、内藤さんがすごくそのお酒たちに愛情を注いでいるのが伝わってきました。

内藤さん: うちは小さな酒屋ですから、種類や有名なお酒の数では他店に全く敵いません。でも、置いてある酒に対する想い入れだけは負けないつもりです。他にも物語のあるお酒がたくさんあります。自分で飲むために、人に贈る時に、ぜひどんなお酒がほしいのか気軽に相談してもらえたらと思います。

aruku: 今はどこでもお酒が手に入る時代ですが、こうした想いに触れながらお酒が買えるのは酒屋だからこそだと実感しました!自分で買うときはもちろん、人に贈るときにはそうしたエピソードも添えるとより想いが伝わりそうですよね。今日はありがとうございました。

※店舗の営業時間や店休日が変更になる場合がございます。

SHOP INFO

内藤酒店

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福島県須賀川市東町30

営/9:00~19:00
休/日曜

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