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喜多方市

蔵とラーメンだけじゃない!喜多方一泊二日の「食べる旅」1日目

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2017年4月1日、JR磐越西線に新駅「郡山富田駅」が開業しました。郡山市内に駅ができるのはなんと88年ぶりとか!そんな貴重な機会ならぜひ磐越西線で旅しなくちゃということで、目的地を「喜多方」に。地元の方々に取材をして、一泊二日で、地元の方が太鼓判を押す鉄板スポットを巡りました。蔵とラーメン以外にも、魅力がいっぱいです!

まずは、旅を120%楽しむために、歴史をさらりとおさらいします。

●喜多方は、平坦で水に恵まれた豊穣の土地。古くから農業が盛んで、力のある豊かな農家や、作物を売る在郷商人も多かったと言います。会津と米沢を結んで米・野菜を運ぶ米沢街道沿いにあるため、味噌・しょうゆ・酒を造って保管する蔵が増えたのだとか。今も市内には四千棟余りの蔵が残っています。

●戦国時代の終わり、蒲生氏郷が会津の領主になると、会津一帯に漆器産業が広がります。喜多方の漆塗りはお椀などが多く、木地から塗りまで一貫して作るのが特徴とのこと。工房が多く残る喜多方駅前は、「うるし銀座」と呼ばれています。

●明治から大正時代にかけ、熱塩加納の鉱山は東洋一とも言われ、当時村はたくさんの人で賑わい、蔵の町の大きな収入源でもありました。明治37年に喜多方~会津間に鉄道が開通。三津谷にレンガ工場が建てられると、レンガの蔵も多く建てられました。雪深く水の豊かなお土地柄、水が浸みないように釉薬をかけた光沢のあるレンガが多く使われています。

●昭和初期、「源来軒」を起源として多くの食堂がラーメンを出すようになります。やがてテレビで紹介されたことをきっかけに、喜多方ラーメン人気は全国へ。人口5万人の街に100軒以上のお店があるラーメンのまちです。

リアルに歩く喜多方の旅。派手ではないけれど、お酒、蔵めぐり、漆塗り体験…とバラエティに富んで奥が深い!本物に出会える感動の2日間でした。取材した3月初めはまだ雪が残っていましたが、4月ともなれば散策にぴったり。4月下旬には桜も見頃を迎えます。

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【1日目】喜多方と言えば!蔵とラーメンめぐり

上海

スタートは喜多方ラーメン♡地元の人が通う老舗で味わいたい!

昭和の香りのマーケット通り、半世紀続く老舗 上海は地元の方から名前の挙がったお店。女性店主がつくる澄んだスープは、コクがあって濃いめの味。コシのある縮れ麺によくからみます。写真の塩・桜ラーメン(720円)は、途中でわさびを溶かして味の変化も楽しんで!
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上海

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喜多方市字二丁目4650

    営/10:00(12〜3月は10:30)~15:00 ※スープがなくなり次第終了
    休/木曜
    P/5台

    松食堂

    これぞ、王道の味わい!

    地元の方が集まる松食堂。店内には麺を茹でる良い香りが漂います♪甘みのあるさっぱりしたスープは、喜多方ラーメンの王道の味わい。柔らかく味の染みた自家製チャーシューも嬉しい!写真はラーメン(600円)。
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    松食堂

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    喜多方市細田7230

      営/10:00~スープがなくなり次第終了
      休/火曜日
      P/なし

      大和川酒蔵 北方風土館

      名作のモデルになった酒蔵で蔵酒をくぅ~っと飲みくらべ。

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      「大和川酒造」は、斉藤清画伯の版画のモデルにもなった蔵。さすがに絵になる佇まいです。1つめの「江戸蔵」には古い道具を展示。天井の高い「大正蔵」へ進めば、ひんやりと広大な蔵の両側に無数の日本酒がズラーッと並んでいます。逆光に輝く商品の美しさは、ため息が出るほど。イベントも催される「昭和蔵」を抜けると、最奥にはバーのような利き酒コーナーが待っていました。飲み比べて、同じ「弥右衛門」ブランドでも、作り方でこれほど味や香りが違うものかと感動。写真の商品は春限定のお酒で、なくなり次第終了です!

      大和川・お酒
      (写真左)「あらばしり」蔵出しの最初にほとばしる若々しい酒720ml 3,240円、(右)純米吟醸「うすにごり」わずかにオリを混ぜた柔らかな甘口1,836円

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      大和川酒蔵 北方風土館

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      喜多方市字寺町4761

        営/9:00~16:30
        休/1月1日
        P/40台

        蔵座敷美術館

        明治の蔵座敷で夢二の原画に出会った。

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        蔵座敷美術館は、実際に旅館として使われていた明治の建物。かつて竹久夢二も逗留したという三間続きの広い座敷では、夢二の美人の原画や書を間近に見ることが出来ます。ふらりと立ち寄った蔵でこんなお宝に会えるなんて、喜多方は本当に奥深い!古い箱階段を上がった2階にも書画骨董が沢山並んでいました。

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        蔵座敷美術館

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        喜多方市字三丁目4844(笹屋旅館併設)

          営/10:30~16:00(入館は15:30まで)
          休/水曜・年末年始・冬期平日
          入館料/大人 300円、小・中学生100円
          P/15台

          カフェ・ド・フランベ

          これを食べるだけでも喜多方に行きたいと思える美スイーツ。

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          ナチュラルな雰囲気の小さなカフェ。コーヒーと「オアジス」をオーダーすると、一瞬「え?」と戸惑うほど上品なケーキが運ばれてきました。ビターチョコ、木苺、ピスタチオのスポンジ、ザクザク食感のフィヤンティーヌを、ホワイトチョコとマスカルポーネのムースで包んだケーキ♡見た目に美しいだけでなく、甘さや、食感や、香りをうっとり味わえるケーキです!店主いわく「丁寧に作って販売したいから、ケーキ屋ではなくカフェにしました」とのこと。日によって変わるケーキをぜひ味わってください。テイクアウトもOK。予約すればホールケーキも作ってもらえます。

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          右が「オアジス」。左の「バッカナール」は、芳醇な自家製ラムレーズンと濃厚なガナッシュをグレーズチョコで包んだ大人の味わい。使うチョコレート(カカオの種類や比率)も、ケーキの種類毎に変えるこだわりようです。

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          カフェ・ド・フランベ

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          喜多方市字二丁目4650-29

            営/11:00~18:00 ※ケーキがなくなり次第終了
            休/月曜
            P/なし
            ケーキ各種480円、コーヒー(コロンビア)400円

            国登録有形文化財 甲斐本家蔵座敷

            黒漆喰の重厚感。贅を尽くした蔵座敷が4月14日から公開。

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            酒造から麹づくり、味噌醤油の醸造業で栄えた甲斐家は、かつて地元の方が「甲斐様」と呼んでいたという名家です。四代目が、大正時代に7年の歳月をかけて建てたという豪華な蔵座敷が、4/14から公開。見学できるのは、正面の店蔵と、51畳もある座敷蔵。ケヤキの大木を削って作られた螺旋階段や技巧を凝らした内装は、建物や家具が好きな方にはたまらないはず。スケールが大きくて、一気にタイムスリップしたような気分を味わえます。

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            国登録有形文化財 甲斐本家蔵座敷

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            喜多方市字一丁目4611番地

              問合せ:喜多方市産業部観光交流課観光物産振興室
              営/4/14(金)から9:00(4/14は10:00)~17:00(最終入場16:30)
              休/12/29〜1/3 ※臨時休業あり
              入場料/無料
              P/約20台

              鳴海屋

              昔ながらの地元の菓子をはしごしながら、味わう。

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              なんとも和やかな壁画に惹かれて入った駄菓子屋さん。昔懐かしい雰囲気の店内には、手作りの駄菓子がいっぱい。陽気なお母さんに話を聞きながら、お菓子を味見させていただきました。胡桃が香ばしいゆべしも、きな粉ねじりも素朴でやさしい味わい。お土産に選んだピンク色のあんこ玉(3色入664円)は、コリッとかじると、中にはしっとりとした桜の香りの餡。甘さ控えめで、口の中に春が来たようです。

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              鳴海屋

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              喜多方市字一丁目4580

                営/10:00~17:00
                休/4~11月は無休
                P/3台

                山中煎餅本舗

                おせんべいの手焼き体験もできる

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                サックサクのでっかいお煎餅、見たことある方も多いのでは?レンガ窯の炭火で職人さんが丁寧に焼き上げる伝統の「たまりせんべい」。塩味や喜多方ラーメン味など、味のバラエティも楽しめます。この春、女将手作りの小法師エコたわしとのセット(486円)が登場しました。お店で、せんべい炭火焼を体験(500円)。焼き棒にお煎餅をはさんで炭火であぶると、みるみる膨らんで熱々のお煎餅になるんです。焼きたてはもちっとしているのに、冷めるとパリパリ食感に変わります。

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                山中煎餅本舗

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                喜多方市字一丁目4643

                  営/10:00~16:30/体験は16:00まで
                  休/水曜
                  P/5台

                  食彩 yaku

                  地元女子が愛するお店で郷土料理と地酒を楽しみたい!

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                  元は和食の板前さんだという店主が腕をふるう店。喜多方の郷土料理や地酒から、店主の故郷大分の料理、創作料理まで豊富なメニューがどれも美味しいのです。モダン和風のホールに隣接した個室はデートにもぴったり。

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                  写真(上)馬刺しのたたき(980円)は新発見の美味しさ。スパイス香るふわっとした食感のお肉を、味噌+醤油でいただきます。(下)「ニシンの山椒漬け」(450円)は、身が柔らかくていくらでもイケちゃう!

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                  食彩 yaku

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                    営/17:30~24:00
                    休/日曜
                    P/5台

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                    カッコいい!リノベ居酒屋

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                    2年半前に、古い蔵をリノベーションしてオープン。カウンター席のブランコに思わずニヤリとしちゃいます。古材を使ったインテリア、らせん階段など、お店には遊び心があふれていました。会津の郷土料理から創作料理まで味わえて、喜多方・会津の日本酒も常時30種類をラインナップ。なるほど、地元の女性が集まるわけです!

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                    会津産豚バラ肉を豪快にカットして、ニンニクを利かせた「会津豚骨付スペアリブ(1,188円)」は食べ応え抜群。

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                    楽気-Tanoshige-

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                    喜多方市谷地田7399-2

                      営/17:00~23:00(Lo.22:30)
                      休/日曜(祝日の場合は営業)
                      P/なし

                      あづま旅館

                      お泊りは、女心の分かる可愛いお宿。

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                      adumakan

                      女将の斎藤百合子さんが喜多方の観光コンシェルジュをされている「あづま旅館」。散策に便利な場所にあり、客室12室のほどよく家庭的な雰囲気♪ちょっとアンティークなインテリアやステンドグラスの照明もお洒落で、とても居心地の良いお宿でした。おすすめのお店やまちの歴史を教えていただいたのですが、女将の話がとても面白くて、知りたい情報がピタッと分かる!相談すれば、きっと期待通りの旅をコーディネートしてもらえます。

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                      あづま旅館

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                      喜多方市小田付道下7115

                        2日目の喜多方めぐりはコチラ

                        ※この記事はaruku2017年4月号に掲載したものです。価格や内容は取材時のものです。

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