ライフスタイル

DIY上級者の暮らしに見る、手づくりの楽しみ方

 

いたるところにあふれる愛しい手づくり品たち

arukuが訪ねた奥野さんご一家は、毎日の様々な場面で手づくりを楽しんでいるDIYの達人。北海道の富良野から取り寄せたラベンダーをはじめ、ローズマリーやセージなど様々な種類のハーブが植えられた庭には、お孫さんがのびのび遊べるようにとお手製の砂場とブランコが。薪ストーブを焚くのに使う薪をしまっておく薪小屋や、「愛犬の風゜太郎(プータロウ)」が暮らす大きな犬小屋はご主人の力作です。さらに、自宅と併設したショップ兼教室には、ハーブ雑貨や天然アロマなどが飾られています。採ったハーブで料理を作り、ときにはDIYしたウッドデッキに仲間を集めてバーベキューを楽しむ…。奥野さんの周りには愛おしい手づくり品たちと、それらを通して楽しむ幸せな時間があふれています。


小さなオブジェの中に物語を表現。こちらはかわいい動物たちが暮らす牧場のイメージです。


転写紙を貼るだけで簡単にできる白磁の絵付け。ただの白い食器の印象ががらっと一変!


最近はまっているのがシルバーアクセ。中央が奥野さんの作品。他、先生作品


この日、奥野さんが大切に育てたラベンダーを使って、リースづくりを体験させてもらいました。「なるほど!手作りってたのしい♪」

頑張りすぎず自分らしくがDIYを楽しむコツ

そんな手づくりのものと時間に囲まれた暮らしについて、「自分では特別手づくりしているという意識はないんです」と話す奥野さん。
その言葉通り、奥野さんのDIYの楽しみ方はとっても自然体です。ハーブ雑貨ひとつをとって見ても、手間ひまかけてじっくり手づくりしたものだけではなく、既製品にちょっとだけ手を加えものや、気に入って購入したものももちろんたくさんあります。そこに共通するのは自分が好きだと感じたものを大切にする気持ち。
一方で、「みんなが作っているものと一緒はイヤなんですよね」という想いが、自分らしさにこだわる創作意欲へとつながっているようです。実際、奥野さんの作品は、物語を考えて箱庭に見立てた香りのするオブジェなど、他にはない個性とぬくもりに包まれています。また、シルバーアクセサリーづくりや白磁のペイント付けなど、先生を招いて他では体験できない新しい手づくりに挑戦するあくなき好奇心は、見習いたいものです。


年々植えるハーブの種類も増加中の奥野家のお庭。手入れは頑張りすぎるのではなく、土地への相性も重視して自然に任せるのが奥野さん流。


育てたハーブで料理も作ります。ふるまっていただいた煮込み料理は、お肉の旨みとハーブの香り、トマトの酸味が合わさって本当に絶品でした!

手づくりがつなぐ人と人との輪

奥野家のDIY暦は2人の子どもが小さかった20年前まで遡ります。「私も妹も小さい頃はお母さんお手製の服が大好きでした!」と話す娘の美幸さん。家族で釣りに出かけては撒き餌から自分たちで仕掛けたり、あえて冬場にキャンプに出かけてはテント張りから行ったりと、たくさんの手づくり体験をしながら育ったそうです。そしてその手づくりDNAは、子どもたちにもしっかり受け継がれている様子。奥野さんも子育てがひと段落ついた現在は、ハンドメイド仲間と一緒に様々なイベントに出展するなど、ますます充実した日々。「自分が作ったものをいろんな人に見てもらえるのが嬉しいですね」と奥野さん。
もしかすると手づくりがきっかけで生まれる人と人との出会いや絆こそ、奥野さんのDIY生活の原動力となっているのかもしれません。


趣味の道具が満載の小屋。ご主人は休日、ほとんどこの部屋で過ごすことが多いのだとか。

 

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