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郡山市

知ってましたか?柏屋・薄皮饅頭のこんな横顔。【福島銘菓徹底解剖】

誰もが認める王道の福島土産。

薄皮饅頭イメージ
[薄皮饅頭]161年も昔に誕生。デリケートな薄い皮で、たっぷりの餡を包んだ、ふんわり、しっとり、風味のいい、誰もが知る福島の定番お土産。

福島のお土産と言えば、真っ先に「薄皮饅頭」を挙げる人が少なくないはず。今や鉄板の福島土産・薄皮饅頭が生まれた「嘉永5年」とは、まだ日本が鎖国している時代でした。ペリーさんが来航したのは、その1年後のこと。餡がたっぷりで皮の薄いこの饅頭が忘れられなくて、奥州街道を行き交う旅人たちは、まわり道をしても宿場町郡山に立ち寄ったと言います。鉄道が通る直前の明治21年には、駅前通り沿いに店舗を移転。昭和の時代は「旅は磐梯、みやげは薄皮」のキャッチフレーズでお土産の定番として知られるようになりました。一方、柏屋といえば、子供の詩を集めた「青い窓」を思い出す方も多いのでは。「まんじゅう祭り」や「朝茶会」など、福島の思い出をたくさん作ってきた会社でもあるんですよね。さて、最後に、最近柏屋が提案している薄皮饅頭の新しい食べ方をひとつ。衣をつけて揚げた「薄皮饅頭のフライ」。ソースで食べると意外な美味しさとのこと。ぜひお試しください。

161年前、薄皮饅頭は白かった!

白い饅頭
柏屋の家系はもとはお医者様。「百歳の翁から三歳まで」滋養をつけるため、また「心のなごみ」を重視して、当時は希少な甘い饅頭になったとか。当時は白い饅頭で、黒糖が入った茶色に進化したのは戦後のこと。

薄皮の表面には、さらに薄い皮がある!

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薄皮饅頭の皮はわずか8g。小指の先ほどの生地を餡で押して伸ばしていきます。餡が隠れるギリギリ、力を入れると破れる繊細さ。蒸し上げた時、皮の表面に一層薄い膜が張ったら、上手にできた証拠です。

毎月1日早朝6時、開成店には行列が!?

出来立ての薄皮饅頭を食べながら、お茶を飲み世間話をする「朝茶会」が、もう37年も続いているそうです。毎回、学生さんからお年寄りまで多くの方が集まり、お饅頭と交流を楽しんでいます。参加無料。毎月1日は、朝6~8時に開成店へどうぞ。

昭和の時代、やき薄皮やフローズン薄皮があった!

やき饅頭
薄皮饅頭は、現在「こし」「つぶ」の2種類。小ぶりの「小饅頭」やカラフルな「Sweets Manju」も人気です。国内旅行が増えた昭和38年頃には、「焼き饅頭」や「フローズン饅頭」もあったとか!覚えてる方、いますか?

表面の網目模様は模様ではない!

蒸し上がったばかりの薄皮饅頭の表面はつるつる。トレードマークの網目模様はついていません。あれは、最後に網の上で湯気を抜く時自然につくもので、模様ではないのだそうです。

工場生まれと職人の手作りでは微妙に形が違う!

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左/手作り 右/お菓子工場製
1日に流通する8~10万個の薄皮饅頭はお菓子工場で生まれます。特徴はちょっと平らなお馴染みの形。一方開成店や郡山駅には、職人さん手作りのお饅頭があるんです。頭が丸くて、平皿に盛られているのが目印です。
※開成店では、「温かい饅頭」と言うと、ふわっふわの蒸したてを出してもらえます。

※この記事はaruku2013年5月号に掲載したものです。

SHOP INFO

柏屋(創業嘉永50年)

Googleマップ

郡山市朝日1-13-5(開成店)※ほか県内24店舗

    営/9:00~19:00
    休/年中無休

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