close close
close close
新店舗情報

新店舗情報

最新記事

最新記事

開成山公園

開成山公園

連載

ランキング

クーポン

クーポン

公開日:
2025.11.21
更新日:
2025.11.21

サッカークラブGM|プロフェッショナル夢名鑑

サッカークラブGM|プロフェッショナル夢名鑑

Jリーグ昇格を目指すサッカークラブのGM(ゼネラルマネージャー)に話を聞きました。

「郡山のサッカー少年たちが憧れ、目標となるようなクラブを作りたい」

高校時代は県を代表する選手の一人として活躍した平さん。サッカーで子どもに夢を与えようと地元に戻りました。

平さんがGMを務めるFCプリメーロ福島とはどんなチームですか?
 郡山を拠点に活動するサッカーのクラブチームで、東北社会人サッカーリーグ2部南に所属しています。1996年に創設され、来年30周年を迎える伝統あるチームです。私は2024年1月からGMをしています。

サッカークラブのGMとはどんな仕事をする人なのでしょうか?
 プロスポーツチームのGMは、社長と並ぶ責任者としてチームの経営や選手の獲得などを担当します。また、チームがスムーズに活動するための環境の設備や現場のサポートも行います。しかし、私がGMを務めるFCプリメーロ福島はまだプロチームではなく、部下もいないので、言わば何でも屋として、チームの運営に必要なすべての作業に関わっています。具体的には、選手集め、試合会場の予約、ホームゲームでの試合の設営、スポンサー集め、サポーター対応などです。さらに、今年は監督として試合の采配や戦略にまで関わっています。

―普段のお仕事について教えてください。
三瓶 半分は桜の聖母短期大学の教員として、特に地域づくりにまつわる授業を担当しています。もう半分は、生涯学習センター長として、地域にどう学びを開くか、大人の学習者にどうやって学びを推進していくかを考える役割を担っています。生涯学習センターでは年間約120の講座を開催していますが、そうした各講座の企画やスケジューリング、チラシの作成など、センターにまつわるほぼすべての業務に関わっています。どうやったら一人でも多くの方に受講していただけるか、一般の会社やお店の方と同じように悩み、考えています。

平さんご自身も子どもの頃からサッカーをしていたんですか?
 はい。小学2年生でサッカーのスポーツ少年団に入りました。中学時代は学校の部活動には入らず尚志高校のクラブチームでプレーし、県の選抜チームにも選ばれました。その後、郡山高校に進学。3年生の県大会では決勝で尚志高校と対戦して敗れ、全国選手権大会には行けませんでした。しかし、自分のプレーには自信があったので、将来はプロの選手になりたいと考えました。大学でもサッカーを続けましたが、全国レベルの選手との実力差やケガの影響もあり、サッカー選手の道は断念。卒業後は本屋やTV番組の制作会社、サッカー専門誌の編集部などで働きました。

そこからどのようにGMの仕事へとつながったのでしょうか?
 サッカー専門誌の取材で足を運んだJ1の試合にものすごく感動したのが始まりです。1万5千人もの観客が入るスタジアムのスタンドがチームカラー一色に染まる、その光景に圧倒されたのと同時に、この感動を地元郡山の人たちにも届けたいと思いました。そこで思い出したのが、高校のサッカー部を引退してから大学に行くまでの間に練習に参加させてもらっていたFCプリメーロ福島でした。チームの代表に「プリメーロをベースにJ1に昇格するようなチームを作りたい」と相談し、2024年1月からクラブの運営を任せてもらっています。それまでプリメーロは任意のクラブチームでしたが、サッカー界に精通した運営会社のもと、新しい体制でチームを再スタートさせました。現在はarukuの社員でもあり、2つの仕事を両立しながら変わらずJ1昇格の目標を持ちGMを続けています。GMの仕事もarukuの仕事も、目指すのは地域や街を盛り上げること。手段が違うだけで、根っこは一緒だと思います。スポーツの現場で培ったリアルな経験とメディアで得られる発信力を掛け合わせて、今までになかった視点から、郡山にもっと面白い仕掛けを作っていきたいと思っています。

どんなときにやりがいやモチベーションを感じますか?
平 自分が良いと思って獲得した選手が試合で活躍し勝利につながることが一番のやりがいです。勝つことでサポーターの皆さんやスポンサーさんが喜んでくださることも大きなモチベーションになっています。ただ、GMという立場で言えば、勝ったときは、うれしいというよりも、ほっとする気持ちのほうが大きいですね。

―スポーツチームのGMにはどうすればなれるのでしょうか?
平 
普通、GMになりたいなら、その世界の高いレベルで実績や経験を積むか、自分で作るかチームを作るしかありません。そう考えると、私は本当に運が良かったのだと思います。高校時代まで地元でサッカーを頑張り、県内のサッカー界である程度名前を知っていただいていたことで、「平がやるなら」と応援してくれる方が少なからずいました。スポーツに限らず、何か一つ、自分が「これだ」と思うものを見つけて頑張ることが、夢を叶えるためには大切なのだと思います。

―今後のチームの目標を教えてください。
平 リーグでしっかりと結果を残し、まずは東北南の2部から1部への昇格を目指します。その上にはJFLという全国リーグがあり、その先にようやくJ3がありますから、道のりはまだまだ長いです。しかし、いつかはJ1の試合で見たあの光景を郡山でも実現して、郡山のサッカー少年たちが「郡山にこんなにすごいチームがあるんだ」「大人になったらこういうチームに入りたい」と憧れてもらえるクラブを作りたいです。そうすれば、プロ選手になるという選択肢が現実的な目標となるはずです。私が子どもの頃にはそうした環境がなかったので、プロになるビジョンがうまく描けませんでした。これからの郡山の子どもたちのためにもチームを強くして、プロを目指すことが特別ではない環境を作りたいです。

GMとしでだけでなく監督として試合の指揮にもあたっています。

「身近にプロ選手がいれば、子どもたちもプロになる未来を思い描けるはず」と平さん。子どもたちの指導にも積極的に取り組んでいます。

プロフィール

 

【お名前】
 平 龍生(たいら りゅうせい)さん
【最終学歴】
 上武大学ビジネス情報学部 スポーツ健康マネジメント学科卒業
【趣味】
 サッカー観戦、読書、将棋
【座右の銘】
 才能は開花させるもの

※この記事はaruku2025年12月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。