ウエディングプランナー |プロフェッショナル夢名鑑

様々な想いを織り込んで、皆さんが幸せになるような結婚式を作り上げたいです。

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フリーランスのウエディングプランナーになろうとしたキッカケを教えてください

齋藤 元々別の職業に就いていたのですが、友達の結婚式に参加した際、“ウエディングプランナー”という職業を知りました。この仕事をしたいと思って転職を決意し、これまで総合結婚式場やレストラン所属のプランナーとして12年間勤め、その間も専門のスクールにも通い、知識と経験を培いました。ですが、働いていくうちに、「もっと結婚式は自由でいいのでは」との思いも生まれて。それで7年前に、会場に所属しないフリーランスという道を選びました。

フリーランスウエディングプランナーの特徴は何ですか?

齋藤 フリーランスの結婚式は最初から最後まで全て手づくりなので、自由度の高いウエディングを実現できることだと思います。例えば、「山と湖に祝福される結婚式にしたい」との相談を受けたときは、お二人のイメージ通りの場所を探し回り、曽原湖と磐梯山が一望出来るペンションを見つけました。今まで式を挙げたことがない場所だったため、カメラマンやヘアメイク・音響などの手配から、ゲストの方々のアクセスの確認や会場の段取りなどを、一から行い、結婚式を作り上げました。火気厳禁の文化財での結婚式がご希望の、ふるさと愛溢れる新郎新婦様の時は、地元レストランとタッグを組み、キッチンカーを導入し、地元の食材をふんだんに使ったお料理を150名のゲストの方々におもてなししました。

仕事をするうえで、意識していることはありますか?

齋藤 婚礼のマナーや縁起事に注意を払うことはもちろん、自由なスタイルを提案するだけに、スケジュール管理や運営がとても複雑になります。ナイトウエディングを希望する方がいれば日の入りの時間を調べ、それをもとに何時から式を開始して、ゲストの方は何時までに到着しないといけないのかなどを緻密に計算しなければなりません。結婚式の内容は毎回違うものになってくるので、そのときの環境に応じてどのようにすれば、お二人の要望に沿えるかが重要になってきます。

プランナーとして大切なことは何ですか?

齋藤 以前、お父様と長い間疎遠になっていた新郎様がいて、打ち合わせの際、これを機に仲直りしたいとの相談を受けたのです。そして当日、ちょっとしたきっかけを設けたところ、新郎自ら「親父、ごめん」と口に出したのです。その後、お父様に歩み寄り、皆の前で抱き合いながら男泣きをするという感動的なシーンを目にしました。結婚式には、こんな奇跡を起こす力があること、そしてよくある幸せは、全ての家族に当てはまるわけではないことを改めて思い知らされました。新郎新婦様と話すうちに、ナイーブな部分に触れることもあります。どんな小さな事でも、その裏にはどんな想いが込められているか、考えてみることが大切です。

結婚式当日の様々なトラブルに対応できるように、常に持ち歩いているお道具箱。

斎藤さんにとって結婚式とはどのような存在ですか?

齋藤 結婚式はこれから二人で生きていくうえでの予行練習。準備を進める中で、新郎新婦の意見が異なってくることもあると思います。だけど違うのは当然のことで、どちらかの考えに寄り沿わないと、良い式にはならないのです。それにたとえケンカしても、次のステップへ進もうと頑張る姿を見ていると、愛おしい気持ちでいっぱいになりますね。だからこそプロの目線で一緒に考えて、お二人にとって最高の門出になるよう、これからもお手伝いしていければと考えています。

Q&A

Q.ウエディングプランナーはどんな仕事?
A.二人にピッタリのアイテム探しから花嫁の衣装選び、さらには身の回りの世話まで、結婚を控えたカップルが安心して結婚式を迎えられるように、総合的にプロデュースすることが主な仕事内容になります。

Q.資格は必要なの?
A.ウエディングプランナーとして働くために特別な資格は必須ではありません。ですが、ブライダル関係団体による資格はいくつかあり、それらを取得しておくことで、結婚式に関するマナーやルール・地域性などが身に付き、お客さんとの信頼関係をより深く築くことができます。

Q.求められる能力は何?
A.結婚式のトレンドは毎年変化するもの。なので、最先端なものに対して関心を持つことが大切です。それに何より、ウエディングプランナーとは人を喜ばせる仕事です。言われたとおりに行動するのではなく、どうすれば「より喜んでもらえるのか」を考える向上心も必要になります。

「今までいただいたお手紙たちも私の大切な活力で、読み返したら涙が出るものばかりです。」と話してくれました。

お名前
齋藤 智賀子(さいとう ちかこ)さん
出身地
福島県福島市
出身校
郡山女子大学 短期大学部
休日の過ごし方
新たなトレンドやコーディネートの勉強をするために、セミナーや講習会に積極的に参加しているのだとか。

※この記事はaruku2017年3月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。

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