福をもたらす神様として古くから庶民の間で信仰されてきた七福神。七福神が祀られている寺社を参拝すれば、災難から免れ幸福を授かれると、七福神巡りは江戸時代より全国に広まったのだとか。今回arukuが訪ねた「いわき七福神巡り」は、市内にある7つのお寺を詣ることで、色紙に御朱印を押してもらえるというもの。全ての御朱印を集めて元日の夜に枕の下に敷いて寝れば、良い初夢を見ることができ、願いが叶うそうです。もちろん、ご利益があるのは元日に限ったことではないのでご安心を。実際に体験してみると、広いいわき市に点在するお寺を巡るため、全て集めるのはなかなか大変…。その分、色紙に御朱印が増えるごとに次を集めたいというコレクター心がくすぐられます。全て揃ったときの達成感は格別だし、何よりお寺を参拝することで気持ちも引き締まります。arukuらしくグルメスポットへの寄り道も交えながら、新年に打ってつけの福さがしを楽しんでみては？

※住職が不在の場合もあるため、事前に一報を入れてから参拝するのがおすすめです。

龍光寺＜弁財天＞

七福神巡りに指定の順番はありませんが、七社の中で最も北側に位置することから、起点にするのにおすすめ！1,200年前に建立されたという歴史があり、境内の弁天堂には学問や芸術の神様である弁財天が祀られています。こちらの弁財天は、鎌倉時代に北条家の祈願道場であった江の島の弁財天を分霊したという由緒正しいもの。その姿が御開帳されるのは年に一度4月15日のみ。この時期に再度訪れてみたいものです。

立派な山門をくぐった先には重厚な本殿。建築物の美しさに心酔するのも寺社巡りの楽しみのひとつ♪

波立寺(はりゅうじ)＜恵比寿天＞

七漁業、特に商売繁盛の神様として知られる恵比寿神の御朱印がいただけるのは、すぐ目の前に太平洋が広がる高台に建つ波立寺。本尊の薬師如来が海の中から現れたという言い伝えがあり、海上鎮めの守護として、海上安全や大漁祈願の信仰を集めてきた場所です。また、境内の湧水で洗顔すると目の病気に効くのだとか。

波立寺からすぐ歩いて渡れる弁天島。ここに建つ鳥居は震災の津波にも耐えたという復興のシンボルです。初日の出スポットとしても賑わいます。

長興寺＜寿老人＞

長寿を司る福の神と言われる寿老人を祀る長興寺。明治の失火で七堂伽藍を失いましたが、山門と山号額に江戸時代を偲ぶ面影を見ることができます。龍春寺の住職が兼務しているため、御朱印も龍春寺でいただけます。

聖樹院(しょうじゅいん)＜大黒天＞

大きな袋と打ち出の小槌を持った姿でお馴染みの大黒様といえば金運の神様！250年前に作られたとされる大黒像が境内のお堂に祀られ、その姿を拝見することができます。御朱印は住職を兼務している建徳寺へ。

建徳寺＜福禄寿＞

中国では南極星の化身と云われ天賦の幸と長寿を授けてくれる福禄寿。本堂の中に祀られているので参拝の際は事前に連絡を入れておくとスムーズです。また、大黒天の御朱印もこちらでいただけます。

妙光寺＜毘沙門天＞

妙光寺の本堂に祀られているのは戦の神としても知られる毘沙門天。転じて商売繁盛や勝負運、厄除け開運などにご利益があると言われています。ここまでくれば七福神巡りもあと少し！

龍春寺＜布袋尊＞

七福神巡り最後の目的地は布袋様の龍春寺。山門までの坂道に四季折々の花が咲くことから「花の寺」としても親しまれています。布袋様は七福神の中で唯一実在した人間をモデルにした神様。いつでも笑顔を絶やさなかったことから家庭円満や子宝の神様としての厚い信仰を集めています。

いわき七福神巡り、見事に完遂！

素敵なご利益がありますように♪

・色紙は各寺院で購入できます(300円)
・御朱印は各寺院とも300円。御朱印帳に押してもらうことも可能です。

ちょっと寄り道♪①
BLUE MUG COFFEE【ブルーマグコーヒー】

JR草野駅からほど近く、住宅街の中に素敵なカフェを発見！こだわりは世界中の産地から届いた、個性豊かなスペシャルティコーヒー。好きな豆を選べるのはもちろん、抽出方法までお好みで選べるコーヒー好きにはたまらないお店です。ガラス張りの開放的な店内も居心地がよく、ちょっと息抜きのつもりがついつい長居してしまいそう。

ちょっと寄り道♪①
La Stanza【スタンツァ】

地産地消を大切に、顔の見える生産者から取り寄せたいわき食材を絶品イタリアンで味わえるお店。ランチはパスタ3種類、ピッツァ2種類にお肉または魚料理が常時ラインナップ。
ひと手間かかった前菜やサラダ、選べる種類の多いドリンクもついて大満足できます。この美味しさはいわきまで足を運ぶ価値ありです！

定番メニューのキノコのピッツァは感動の美味しさ！クイーンなめこ、エリンギ、椎茸の旨みと食感にアンチョビの塩気が最高のアクセント♪(ランチセット1,250円)

デザートも全て自家製。写真はランチに+240円でつけられるティラミス。濃厚だけど甘すぎずない理想のドルチェ！

金刀比羅神社

この福さがしスポットにも行きたい！

永正二年(1505年)、四国の金毘羅大権現の分霊を祀り、以来「いわきのこんぴらさま」として親しまれてきた「金刀比羅神社」。出雲大社と同じ御祭神である大物主大神(大国主神)を祀り、海上安全や商売繁盛、交通安全にご神徳があるとされます。また、境内へと続く階段を登るとずらりと並ぶお社があり、学問の神様を祀った天満宮や地域の氏神が祀られた諏訪神社、稲荷神社にえびす神社と、一度にたくさんの神様にお参りができるいわき屈指のパワースポットでもあります。

さらに注目は毎年1月10日に行われる「例大祭」。湯本駅から2㎞に渡り車両は通行止めとなり、約400軒もの露天が立ち並びます。また、神楽殿からまかれる福銭を受け取り、福を得る「福銭撒き」(中には当たりも入っているのだとか！()はついつい熱狂してしまうこと間違いなしの一大イベント。10数万にも及ぶ参詣客で賑わいます。

「福銭撒き」の様子

境内の中で大きな釜を発見！この大釜に湯を沸かし、湯煙を浴びることで息災延命の加護があると信じられています。

君が代の歌詞にもある「さざれ石」

金刀比羅神社限定の授与品も充実！

※この記事は2020年1月号に掲載したものです。価格(税込表記)や内容は取材時のものです。