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伊達市

もうすぐ見納め!勤務歴16年のマネージャーが語る「カッパ王国(國)」のここがすごい

カッパ王国(國)が出来たのは1994年のこと。開館以来26年の間、地下1,300mから湧き出る天然温泉と、日本の演劇のジャンルの一つである大衆演劇(旅芝居)で多くのお客さんを魅了してきました。しかし、建物の老朽化により2020年8月末に惜しまれつつも閉館することに。今回は、長年マネージャーとして携わってきた櫻田さんからみた、カッパ王国(國)の魅力についてお話を聞いてきました。

非日常を過ごせる贅沢な健康ランドで体も心もリフレッシュ

「昼間から温泉に入って、お酒を飲んで、美味しい物を食べて、昼寝もできる。一見すると不健康に見えるかもしれませんが、身体も休めて心もリフレッシュできる場所はそうないです」と櫻田さん。たしかに言われてみると、家でもなかなかできない贅沢ですよね!日ごろの忙しさを忘れて自由気ままに楽しめるなんてこれ以上の至福はありません。

全国から追っかけファンが集う福島県唯一の劇場

昔はカッパ王国(國)以外にも県内で大衆演劇を観られる場所がありましたが、今ではここだけ。東北地方でも大衆演劇の劇場を常設している場所は珍しく、関東圏のお客さんも含めて県外からも多くの方が来館します。数々の旅役者が公演してきましたが、舞台と客席との距離が近く、演者とコミュニケーションが取れるので、濃密な時間を過ごすことができるのもカッパ王国(國)の特徴です。「これから楽しみが無くなっちゃう~と、惜しむ声を聞くと、申し訳ない気持ちと同時に皆さんの役に立てていたのかなと嬉しく思います」と話す櫻田さん。

顔なじみのお客さんとの絆

長年勤めているとお客さんとも顔なじみになるそうで、銭湯替わりに同じ時間帯に来るお客さんや、毎日通う常連さんは2~3日顔を合わせないと、どうしたの?と心配されるのだとか。スタッフがお客さんを気遣うだけでなく、お客さんからも声をかけてもらえる関係は、カッパ王国(國)が長年にわたり多くの人に愛されてきた証拠ですね。

価値観を変えた大衆演劇

「今でこそ多少詳しくなりましたが、初めは芝居に興味はなかったんです」そう話す櫻田さんですが、彼らのプロ意識に大衆演劇の価値観が変わったと言います。観客の雰囲気や反応に合わせる対応力に、計算された演出、それを行うための入念な準備や芝居の稽古など、観客には見せない影の努力には感服だったそう。「私達も道具の搬入を手伝うのですが、衣装や道具は一つとして同じものはなく、こだわりが詰まったアイテムの中には高級外車1台分するものもありヒヤヒヤします(笑)」と思わぬ裏話が聞けちゃいました。

「役者との距離も近く、まるで恋人と会ったかのようにキラキラと笑顔を輝かせる観客の姿を観ると、ここはまるで夢の国のようです」と櫻田さんが言うように、年配の方はもちろん、まだ観たことのない若者でも肩肘張らずに楽しめること間違いなしの大衆演劇。カッパ王国(國)で観られるのも残りわずかですが、8月末まで公演を行っているので、気になる人はこの機会にぜひ足を運んでみて。ここでしか味わうことのできない温泉とエンターテインメントを一緒に楽しんじゃおう♪

【大衆演劇】
8月の公演:「劇団朱光」
休演日 8/17(月)
最終公演 8/29(土)昼の部
昼の部 13:00~
夜の部 18:00~

※新型コロナウイルス感染拡大防止策として、次亜塩素酸水やアルコールを用いた清掃、スタッフの検温、手洗いうがい、マスクの着用、定期的な換気を行っています。
※観劇については、マスクを着用し演者との接触は遠慮して頂いています。

※この記事は2020年7月に制作したものです。内容は取材時のものです。

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