毎日の食卓に欠かせない身近な食材、「たまご」。皆さんは11月5日が「いいたまごの日」って知っていましたか?そこで今回は上質なたまごを厳選し、様々な角度からその魅力を総力取材しました。殻を割れば 濃厚な黄身が見せる“黄福”の光景が広がり、ひと口味わえば“口福”で満たしてくれる、そんな奥深い“幸福”のたまご道へいざ出発!
まずは福島県のこだわりたまご徹底分析!
県内各地で育てられている特別な餌や飼育環境にこだわったブランドたまご。今回はたまご本来の味わいを比べるため、7種のブランドたまごを生卵とゆで卵それぞれで食べ比べを実施。実際に味わってみるとふだん食べ慣れているたまごとは濃厚さや風味がまるで違っていたり、生卵とゆで卵で大きく印象が変わるたまごがあったりと、驚きや発見の連続でした。
平飼い酵素卵(Kふぁーむ/本宮市)
太陽の光が差し込む広々とした鶏舎で、鶏たちが自然環境に近い環境で育てられているKふぁーむ。腸内環境を整えるため、様々な果物が含まれた自家製発酵飼料を与えるなど、飼料にもこだわっています。
生卵…やや薄く感じる見た目を裏切る濃厚な味わいが印象的!白身も臭みが少なく、みずみずしさが特徴です。
ゆで卵…ゆで卵にすればしっかりとした甘みがよりいっそう感じられます。後引くまろやかさがクセになりそう!
購入できる場所…バール・イルチェントロ、うすい百貨店、ヨークベニマル堤下店
さくらたまご(安斎養鶏場/福島市)
日本でも数%しかいないという希少な純国産鶏が生んださくらたまご。トウモロコシや魚粉、唐辛子や海藻など独自の自家配合飼料に加えて、抗酸化作用のあるアスタキサンチンも与えています。殻が固くたまごの持つ風味と鮮度が長持ちするのも嬉しいポイント。
生卵…ぷっくら盛り上がった黄身から伝わる新鮮さそのままにしっかりした味わい。これはTKGで食べなきゃもったいない!
ゆで卵…ゆで卵にすることで黄身の旨みが凝縮された印象。プリンプリンの白身との食感の違いも楽しめます。
購入できる場所…安斎養鶏場自動販売機、JAふくしま未来農産物直売所ここら、道の駅安達(下り)
もみじたまご(安斎養鶏場/福島市)
さくらたまご同様、純国産の健康な赤鶏を独自の自家配合飼料で育てたもみじたまご。コクのある旨みが特徴でたまご好きなら大満足できること間違いなし!さくらたまごと同じ場所で買えるので両方買って食べ比べてみるのもおすすめです♪
生卵…濃い褐色の殻のイメージ通り濃厚な黄身が鮮烈!卵白の色も他より濃く、醤油要らずで食べられそう。
ゆで卵…もみじたまごの魅力はコクのある旨み。ゆで卵はもちろん、卵焼きにしても豊かな風味が感じられます。
購入できる場所…安斎養鶏場自動販売機、JAふくしま未来農産物直売所ここら、道の駅安達(下り)
いきいき花たまご(サカイフーズ/石川郡浅川町)
オムレツやスクランブルエッグ、プリンなど黄身の色が映える料理におすすめなのがコレ!ブランドたまご=濃厚なイメージが強い中、こちらはさっぱりとした風味を追求。植物性主体の餌を与えることで、たまごの味が苦手なお子さんでも楽しめる味わいに仕上げています。
生卵…鮮やかな黄身の色の秘密は餌に加えたマリーゴールドの花。クセがなくシンプルな美味しさです。
ゆで卵…大き目の黄身は鮮やかな見た目とは裏腹にくどさがなく後味スッキリ♪
購入できる場所…JA農産物直売所 愛情館
相馬ミルキーエッグ(大野村農園/相馬市)
可愛いパッケージからギフトとしても人気のミルキーエッグ。「うませる」ではなく「いただく」をモットーに、健康でのびのび育ったたまごは季節によってほんのり変化する黄身の色にも自然の恵みを実感!地域が誇るものづくりに贈られる、ふくしま産業賞金賞も受賞しています。
生卵…黄身の色は薄めでもマイルドな旨みはスーパーのたまごとは段違い!濃厚卵白も新鮮そのものです。
ゆで卵…ゆで卵にすると白身にまでしっかりと味を感じられます!いつものたまごとの違いを実感!
購入できる場所…大野村農園、HP、セデッテかしまなど
幸せを運ぶ青卵(岡田農園/田村郡小野町)
南米チリ原産のアローカナという鶏が生む、珍しい青色のたまご。数日に一度しかたまごを生まないため、栄養価もぎゅっと詰まっています。もちろん、自然環境に近い放し飼いや地下50mから汲み上げた天然水など飼育方法にもこだわりが満載。まさに目にも舌にも幸せを運んでくれます。
生卵…ワクワクしながら青いたまごを割ってみれば繊細で上品な黄身と白身がお目見え♪臭みが全くなく、味わいも上品!
ゆで卵…さっぱりとした中にも白身の甘みと黄身のコクを感じられるゆで卵は、何個でも食べたくなる美味しさ!
購入できる場所…岡田農園、おのげんき、ヨークベニマル小野プラザ店
会津地鶏卵(阿久津農園/南会津郡下郷町)
450年前からこの地域に生息していたという会津地鶏。他の鶏との交配が行われず純粋種が維持されてきた珍しい鶏でもあるそうです。そんな会津地鶏は通常の鶏の半分ほどしかたまごを生まないためその価値はとても希少。大自然の中で平飼いされ旨みもしっかり蓄えられています。
生卵…小ぶりなたまごは若い親鶏が生んだ証。ふくよかな黄身と盛りの良い白身は新鮮そのもの!
ゆで卵…ゆで卵にしてもクセは皆無。どんな料理にも合いそうな万能たまごです。
購入できる場所…阿久津農園、道の駅しもごう、下郷町物産館
意外と知らないたまごの常識①
Q.殻の色で味は変わるの?
何となく「赤いたまごの方が高級?」と思っている方も多いかもしれませんが、実は殻の色の違いは鶏の種類によるもの。味や栄養にはほとんど違いはないそうです。ちなみに赤玉の方が少し高価な理由は、赤玉を生む茶色の鶏は餌をよく食べるため生産コストがかかるからなのだとか。
意外と知らないたまごの常識②
Q.たまごの味は何で違いが出るの?
ではたまごの味を左右するものは一体何なのか?その最大の要因は餌にあるといいます。また、ストレスを溜めず適度な運動をさせる飼育条件も味の違いにつながるそうです。
意外と知らないたまごの常識③
Q.サイズが変わると味も変わるの?
意外なことにたまごのサイズの違いは鶏の出産年齢によるもの。鶏は成長するにつれて卵管がどんどん太くなるため、生まれるたまごも大きくなるそうです。その際、黄身の大きさはほとんど変わらず違いが出るのは白身の量だけというのも驚き!作る料理によって買い分けるのが賢い買い方と言えそうです。
意外と知らないたまごの常識④
Q.生みたてたまごが一番おいしいの?
実は産卵後すぐのたまごには炭酸ガスが含まれているため、殻が剥きにくく味にえぐみもあり、ゆで卵にはあまり向かないのだそう。新鮮たまごはたまごかけごはんや目玉焼きに、少し時間が経ったたまごはゆで卵や厚焼き玉子にと、料理によって使い分けるとさらにたまご道を極められるかも!?
※この記事はaruku2020年11月号に掲載したものです。価格(税込表記)や内容は取材時のものです。