歯科衛生士| プロフェッショナル夢名鑑 

歯みがき指導からクリーニングまで、歯科医師とともに、歯や口腔ケアを通して人々の健康を守る歯科衛生士にお話を伺ってきました。

歯医者は苦手という人が多いからこそ、一緒に頑張る歯科衛生士が必要なんだと思います。

「問診では話やすい雰囲気づくりを心掛けています」と熊田さん。

子どもの頃はどんなお子さんでしたか?

熊田 私が通っていた幼稚園では、6月に歯科検診があり、歯の状態が良いと賞状が貰えたんです。誕生日が6月ということもあり、誕生日の月に「虫歯がなくて偉いね」と褒められたことや、賞状が貰えたことが嬉しかったですね。その頃の夢は歯医者さんになることと周りにも言っていたようですし、歯磨きも念入りにしていたみたいです。

歯科医師ではなく、歯科衛生士を目指したのはなぜですか? 

熊田 歯科衛生士という職業を明確に認識したのは中学生になってからです。それまでは歯医者さんで働く看護師さんというイメージしか持っていませんでしたが、職業体験などを通して歯科医師よりも患者さんに近く、治療が必要になる前に歯磨き指導や歯茎のケアで患者さんの健康を守れる歯科衛生士の仕事に魅力を感じました。思えば、小学生の頃に虫歯の治療で歯科医院のお世話になった際に、怖がらないように優しく歯科衛生士の方が話しかけてくれたことも目指した理由の一つだと思います。

歯科衛生士になるためにどんなことを勉強されたのですか? 

熊田 歯科衛生学科のある短期大学に進み、英語などの基礎から虫歯や歯周病、歯科治療に関する様々なことを学びました。模型を使ったり、時には友達に患者さん役をしてもらったり、国家試験に向けて座学と実習を通して3年間勉強に励みました。資格取得後は専攻科に進み、老人ホームや保健センターなどで研修をし、4~5人のグループで虫歯や歯周病を題材にした人形劇を行って、小学生に歯の大切さを教えました。歯科衛生士として働く中で、学んだ知識を相手に分かりやすく伝える機会に恵まれたことは、今でも良い経験になったと思います。

普段のお仕事について教えてください。

熊田 治療に入る前に歯のクリーニングをしたり、歯科医師のアシストについたり、受付や会計と仕事の内容は多岐にわたります。模型とは違い、人によって口の大きさや開き方にも違いがあるため、初めのうちは歯石除去や歯型の採り方など、患者さんに負担をかけないように処置するのが大変に感じることも多かったですね。それから、私が勤めるクリニックの院長先生は学校歯科医もしているので、中学校に行って虫歯や歯周病についての授業をすることもあります。専攻科時代の経験をここでも活かすことができているなと感じます。

お仕事の中で大変だなと感じることはありますか?

熊田 1人ひとり口や歯の状態が違うので、治療に正解がないところです。寝たきりの方や来院できない患者さんのお家に訪問診療をすることもありますが、声掛けや痛みに対しての反応がないこともありますし、患者さんにとってベストな治療法はどれか常に考えるようにしています。最終的な治療法を決めるのは歯科医師である院長先生ですが、歯科医療もチームプレーなので、最適な治療ができるように案を出し合いながら診療を行っています。

どんな時にやりがいを感じますか?

熊田 やはり患者さんが良くなっていく姿を見るとやりがいを感じます。治療はもちろんですが、綺麗で健康な歯を保つためには正しい歯磨きの仕方も大事です。歯ブラシの当て方や力加減など説明したことがきちんと伝わり、患者さんの歯に対する意識が高くなっていると感じると自信にもなります。歯磨きが苦手だった子どもの患者さんに、「上手に歯磨きできるようになったよ」と言われた時は嬉しかったですね。また、昨年の台風被害ではクリニックが浸水し、診療ができない期間もありました。数か月後には診療を再開することができ、また通ってきてくれている患者さんも多く、顔を覚えていてくれて、話かけてもらえると必要とされているんだなと嬉しくなります。

今後はどんな歯科衛生士を目指していきたいですか?

熊田 歯医者というだけで苦手意識を持つ人が多いと思うので、「処置をする人」ではなく、「治療を一緒に頑張る味方」として、常に患者さんに寄り添った対応ができる歯科衛生士でありたいなと思っています。仕事や育児で忙しかったり、来院が難しかったり、患者さんにもいろいろな事情を抱えている方がいます。治療や歯磨きに対するモチベーションが維持できず通院が長引くこともあります。歯の健康は全身の健康にも繋がるので、歯の問題だけでなく治療に対する不安や悩みなど心の面でも寄り添っていきたいです。

子どもたちへメッセージをお願いします。

熊田 私は小さい時に嬉しいなと思ったことがきっかけで、今の職業に就くことになりました。そんな風に子どもの頃の体験や思ったことを大切にして下さい。大きくなると進路選択などで職業について調べる時間があると思います。その時に直接ではなくても、その体験したことや興味を持ったことについて、活かせる仕事を見つけることができると思いますよ。

不安にさせないように、優しく声掛けをしながら処置にあたります。

歯磨き指導では模型を使い、歯ブラシの当て方など確認しながら行います。

お名前
阪本歯科クリニック 歯科衛生士 熊田莉加(くまだりか)さん
出身地
福島県郡山市
学歴
日本歯科大学東京短期大学 専攻科 歯科衛生学専攻
休日の過ごし方
ショッピング、ドライブ
座右の銘
笑門来福

※この記事はaruku2020年11月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。

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