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伊達市

福島の伝統を継ぐ人「タマスズ醤油」福島県伊達市

美味しい醤油のために当たり前を続ける。

江戸時代から続く醤油醸造元を引き継ぐ形で「タマスズ醤油」が生まれたのは今から60年以上前のこと。

同じ分量で仕込んでも樽ごとに微妙に味が変わってしまう繊細な醤油づくり。我が子同然に大切にもろみを世話しています。

一般的な醤油づくりに比べ、倍以上の時間をかけて仕込む昔ながらの2年もろみの製法を一貫して続ける理由について、4代目社長の鈴木利幸さんはこう話します。
「伝統を引き継ぐというよりは、それしか方法がなかったという方が近いかもしれません。もろみは生き物。機械で手入れするわけでも空調設備が整っているわけでもないので、手入れは毎日必要です。ちょっとでも時間や温度が違うと味が変わってしまうので火入れの作業にも気を使います。とても手がかかりますが、私たちにとってはそれが当たり前。ただおいしい醤油を作ることしか考えていません。周りからはそれが伝統と映るのかもしれないですね」。

利幸さんの代になり醤油のバリエーションも進化。焼津産の本枯れ節で料亭さながらに出汁を取っただし醤油は、たまごかけごはんに◎。他にも冬の鍋にぴったりのレモン醤油や納豆におすすめという燻製醤油など全5種類、600円~750円(税込)。

醤油に使う原料全てを福島県産にこだわった一本。震災により塩工場が閉鎖してしまったため、今の仕込み分がなくなったら二度とは作れない幻の醤油。

こうして完成した醤油は、塩分は同じなのに角が取れることで塩味が優しく、まろやかな甘みが特徴。arukuスタッフも実際に使ってみたところ、料理の味に大きな差が出ました。他の醤油には戻れなくなりそうです。

向山製作所とタッグを組んだもろみを使ったラングドシャ。震災の影響で醤油として出せなくなった10年もろみを使ったというエピソードにグッときます。

SHOP INFO

タマスズ醤油

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福島県伊達市保原町字泉町23

    オンラインショップ他、岩瀬書店福島駅西口店・富久山店、向山製作所大玉ベース等で販売中。

    ※この記事はaruku2021年1月号に掲載したものです。価格や内容は取材時のものです。

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