レジャー
三春町

三春滝桜からめぐる、のんびりお花見さんぽ

梅、桃、桜が同時に咲くことから、その名が付いたと言われる三春町。町の中心部には城下町の面影が残り、樹齢100年を超える立派な桜の木があちこちに点在します。日本三大桜に数えられる「三春滝桜」は桜の名所ランキングでも常に上位にランクインする人気の一本桜。三春藩主の御用樹として崇められたその姿は今なお力強く神秘的で多くの人々を魅了しています。町内には1万本以上の桜があり、そのうち2,000本はシダレザクラ。町全体が桜の名所として知られ、お寺や神社だけでなく個人の庭にも立派な桜があることも珍しくなく、つい立ち止まって見惚れてしまいます。ここでは、三春滝桜からめぐる町内の桜の名所を紹介します。桜色に染まる春の三春町へ、お花見さんぽに出かけませんか?

国の天然記念物指定から100年。
地元で愛され守られてきた「滝桜」の魅力は?


三春町の中心部から南へ約4㎞、三春ダム湖「さくら湖」の近くで堂々と咲く滝桜。推定樹齢はなんと1,000年以上。満開時には西方に伸びた太い枝から薄紅色の花を無数に咲かせ、その姿はまるで流れ落ちる滝のように見えることから「滝桜」と呼ばれるようになったともいわれています。樹高は約13.5m、根回りは約11.3mもあり、近くで見るとその迫力は圧巻!大地に根を張り、力強く咲く姿から地元の人々に愛され守られてきたのが伝わります。周囲には遊歩道もあるので、さまざまな角度から眺めたり、写真を撮ることができますよ。


大正11年(1922)に桜の木として初めて国の天然記念物に指定された名木は、2022年10月に記念すべき指定100周年を迎えます。100周年記念事業としてメモリアルライトアップも予定されているので夜の寒さに備えておでかけを。ライトアップされた滝桜はどこか儚げで美しく、夜空との幻想的なコントラストも素敵です。昼と夜、それぞれ違った表情をじっくりと楽しむのもおすすめです。


約100年前、大正時代に撮影されたと伝わる滝桜の写真(三春写真館提供)。国の天然記念物指定を祝い、正装で記念撮影する皆さんもどこか誇らしげでうれしそう。

三春滝桜
【例年の見頃】4月上旬

福島県田村郡三春町大字滝字桜久保地内
ライトアップ/18:00~21:00
観桜料/300円(中学生以下無料)
P/あり

城下町・三春には桜の名所がたくさん。話題の三春城VRも楽しめる!

三春町の桜の名木は滝桜だけじゃありません。三春滝桜とあわせて楽しみたい桜をご紹介します。

城山公園の桜


かつて三春城だったこの場所は、町を一望できる絶景スポット。園内には散策路もあり、桜、アジサイ、モミジなど、四季折々に訪れる人を楽しませてくれます。沿道には「お城坂枝垂れ桜」などのベニシダレザクラも。3月から5月にかけては野草も咲くので桜と一緒に愛でるのも楽しみですね。

三春城が目の前に!? VRアプリでタイムトリップ♪


「江戸時代の三春城が目の前に!」。そんな感動を味わえるのも城山公園のお楽しみ!スマホのアプリ「ストリートミュージアム」をインストールすれば、三春城の景色を再現したVR(バーチャルリアリティー)をパノラマで楽しむことができます。


三春城の天守ともいえる三階やぐらや城下町の景色が画面上に広がり、当時の町にいるような体験ができるのがうれしい。アプリをダウンロードして出かけてみて。

城山公園の桜
【例年の見頃】4月中旬

福島県田村郡三春町字大町
P/あり

田村大元神社の桜


城山公園からほど近い場所に咲く「田村大元神社の桜」。戦国時代の永正元年(1504年)に田村義顕が居城を三春に移した際に、守山(現在の郡山市田村町)から移されたと伝えられる旧三春領内の総鎮守で、仁王像の立つ山門前の桜も必見。県道40号から見上げる位置にあります。幕末に建てられた表門には伊藤光運作の金剛力士像一対が納められており、彫刻も見事なので記念に見学を。

田村大元神社の桜
【例年の見頃】4月中旬

福島県田村郡三春町字山中
P/あり

田村家枝垂桜群


三春滝桜のすぐ東に位置する見事な桜。旧庄屋田村家の屋敷内で咲き競う7本のベニシダレザクラは里山の風景とともにやさしく癒やしてくれます。

田村家枝垂桜群
【例年の見頃】4月上旬~中旬

福島県田村郡三春町大字滝字高野
P/無し

桜谷枝垂れ桜


三春町役場近くの「三春町歴史民俗資料館」北側にあるベニシダレザクラ。樹齢は約200年で周囲の桜の中ではいち早く咲き始めるので春の訪れを知らせているかのよう。高台にあるので離れた場所からも見えますが、すぐ下から見上げると桜が降るようで美しさもひとしお。町内の散策路の拠点としてもおすすめです。

桜谷枝垂れ桜
【例年の見頃】4月上旬

福島県田村郡三春町字桜谷「三春町歴史民俗資料館」
P/あり(役場周辺の公共駐車場)

高乾院の桜


三春藩主・秋田氏菩提寺の桜。鎌倉時代中頃の創建とされる高乾院は、山号は秋田家の先祖「安日」に、寺名は初代藩主秋田俊季の父実季の法号に由来します。本堂裏には庭園、本堂向って左側の高台には秋田家墓所があり、歴代藩主をはじめ一族の墓が残されています。

高乾院の桜
【例年の見頃】4月上旬~中旬

福島県田村郡三春町字荒町
P/あり

法蔵寺の桜


遠くから眺めると、まるで一幅の絵のような美しい春景色が。法蔵寺は正応2年(1289年)に開山された町で一番古い寺院です。境内には100種の蓮の花をはじめ赤松の古木、桜、ツツジ、アジサイ、百日紅などの花が咲き、四季を通して愛でる楽しみも。春には塀と門を包み込むようにベニシダレザクラが見事に咲き、鮮やかなピンク色に見入ってしまいます。

法蔵寺の桜
【例年の見頃】4月上旬~中旬

福島県三春町字荒町
P/あり

七草木の天神桜


県道40号沿いの田畑に囲まれた丘の上に咲くエドヒガンの一本桜。根元には天神様が祀られています。眺める位置によっては、緑の丘と青空を重ねた素晴らしい風景を望むことができます。樹勢が良く、のびのびと丘の上で仁王立ちしているかのような立ち姿も美しい!私有地なのでマナーを守って見学しましょう。

七草木の天神桜
【例年の見頃】4月中旬

福島県田村郡三春町大字七草木字殿作
P/無し

三春スイーツをお花見さんぽのおともに。

老舗の和菓子屋さんのお饅頭から話題の洋菓子まで。三春町内には散策のおともやおみやげに選びたい“おいしい&かわいいスイーツ”がたくさんあります。

老舗菓子店では三春名物「おたりまんじゅう」を


創業は明治中期、“三春駒”の名で知られる三春産馬牛の「旧三春競り市場」前に佇む老舗菓子店『三春昭進堂』。桜めぐりの途中に訪れるお客様や地元で代々通う常連さんも多いそう。名物の「おたりまんじゅう」は薄皮の中に北海道産の小豆を使って仕上げたお店自慢の“こしあん”がたっぷり。地元産の味噌や醤油で味をととのえたほどよい甘さが人気です。こしあんに加え、白い薄皮で包んだ“粒あん”もあるので食べ比べを楽しんでみては。桜の開花時期には「花見だんご」も登場しますよ!


風情のある店内では大きな三春駒が迎えてくれます。品揃えも豊富で、「三春どら焼き」「豆大福」「コーンクッキー」などの定番商品から季節限定の「いちご大福」や「柏もち」「水まんじゅう」など、和菓子好きにはたまらないラインナップ。おみやげにもぴったり!

SHOP INFO

三春昭進堂

Googleマップ

福島県田村郡三春町字新町160-4

    営/9:00~18:00
    休/火曜
    P/5台

    三春の新スイーツは、濃厚で爽やかなフローズンフード!

    (左から)ブルーベリーチーズケーキバー 350円、チーズケーキバー(プレーン) 250円、バナナジュース(プレーン) 430円


    洋菓子派には、2021年8月にオープンしたフローズンフードのお店RETOWA【レトワ】がおすすめ。高い技術力で作りたての味を急速冷凍したチーズケーキやバナナジュースが人気を集めています。看板メニューの「チーズケーキバー(プレーン)」はギュッとチーズを閉じ込めたベイクドタイプで濃厚なのに後味はさっぱり。地元・三春産のブルーベリーを使った「ブルーベリーチーズケーキバー」はヨーグルトの酸味を加えた爽やかな味わいが魅力。半解凍だとアイスのようで、また違った味わいが楽しめるのでおみやげでも喜んでもらえそう。ギリギリまで完熟させたバナナを急速冷凍して作った「バナナジュース」も人気上昇中。砂糖を使っていないのに甘くておいしい!


    おしゃれな店内にはカフェスペースもあるのでイートインもOK!晴れた日はテラス席でちょっと優雅な気分を味わってみるのも◎

    SHOP INFO

    RETOWA Frozen Food【レトワ  フローズンフード】

    Googleマップ

    福島県田村郡三春町字化粧坂88

      営/11:00~17:00
      休/月曜、火曜
      P/8台

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