造園技能士|プロフェッショナル夢名鑑

庭の植物を美しく健康に保つ、造園技能士にお話を聞きました。

見た目の美しさだけではなく、数年後の姿までイメージして剪定しています

剪定作業中の古川さん。けが防止のため、作業着は一年中長袖・長ズボンです。

普段どんな仕事をしているのか教えてください
古川 造園業の仕事は、その名の通り庭を造る仕事です。私は設計図をもとに家や大学、道路や公共施設に樹木や芝生を植えることと、その後のメンテナンスを担当しています。成長した木を剪定して、見た目をきれいに保つことは、日本の伝統的な技術の一つ。景観を整えることに加えて、植物にとって生育しやすい環境を作ることが私の仕事です。

樹木を植える時には、どんな作業をしているのですか?
古川 樹木は苗木を植えてから根を張るまでに2、3ヵ月かかり、うまくいかないと枯れてしまいます。その大事な時期を助けるために、植える前に土の色や質から状態を確認し、土壌改良剤を土に混ぜます。夏は土が乾きやすいので、根の近くにくぼみを作って水を貯められるようにしておき、冬であれば根が凍らないように多めに土をかぶせます。
苗木はホームセンターなどでも買えるので、自分で植えることもできますが、私たちのようなプロに依頼することで、植物が元気でいられる環境を作ってあげることができるんです。

植えた後はどんなメンテナンスをしているのか教えてください。
古川 伸びた葉や枝の剪定(せんてい)です。剪定の時期は、木の種類によって異なります。紅葉して、冬は葉がなくなる桜などの落葉樹は、木への負担を抑えるために冬眠する寒い時期に剪定して、春の発芽に備えます。逆に、一年じゅう緑色の葉がつく松などの常緑樹は寒さに弱いので、春や秋に剪定するのがベストです。

剪定する時には、どんなことに気を付けていますか?
古川 木は芽を残さないと枯れてしまいますし、生命力が強い木は枝を切りすぎると、強い枝が出てきて木が荒れているような見た目になってしまうことも。ですので、見た目の美しさだけではなく、数年後の姿も考えながら剪定することが大事です。
私が目指しているのは、どこを切ったかわからないほど、切り口が目立たない剪定です。うまく切ると、植物は自分の力で切り口をふさいでいきます。切り口は目立たなくなりますし、病原菌が入ることも防げます。剪定は経験がものをいう世界。技術を身に着けるのには苦労しました。19年やっても、まだまだだと感じます。切ったものは元に戻らないので、プレッシャーも感じますね。一緒に作業する職人は一人ひとり持っている技術が違います。一緒に仕事していると発見があり、成長できると感じます。

この仕事を選んだきっかけを教えてください。
古川 もともと工場で働いていたのですが、屋外で仕事をしたくて転職を考えていました。そんな時に、造園会社で働いていた友人から一緒に働かないかと誘われたんです。応募するか悩んでいるうちに他の人が採用されてしまったのですが、一人で作業する時間が長く自分に合っていそうだと感じたことと、昔ながらの法被 姿がかっこよくて憧れたこともあり、自分で調べて23歳の時に今の会社に入社しました。実際に入ってみたら、仕事着は法被(はっぴ)ではなく作業着だったんですけれどね(笑)

必要な資格はありますか?
古川  庭を整備するために必要な知識や技術を証明できる、造園技能士という資格があります。1級を取るには7年の実務経験が必要で、私は入社11年目で取得しました。1級を取得していると公共工事の現場監督ができるなど、仕事の幅が広がります。
試験は筆記試験のほか、図面に沿って竹垣や石を並べた歩道を作り、小さな日本庭園にする実技試験もあります。石は一つとして同じ形のものはないので、図面に合った歩道を作るのには苦労しました。また、枝を見て木の名前を当てる試験もあり、休日に郡山市の逢瀬公園に行って木の名前が書かれている看板を見て勉強しました。合格率は40%程度ですが、一発で合格できてうれしかったです。

仕事のやりがいを教えてください。
古川 お客様から「すっきりした」「いい庭になった」という言葉をかけてもらえるとうれしいです。「君に任せたら間違いない」と言ってもらえるぐらい、信頼される職人になりたいですね。
現場は何人かで一緒に作業をすることが多いのですが、良い雰囲気で仕事ができれば、仕上がりも良くなると感じます。技術だけではなく、現場の雰囲気も大切にしながら、先輩・後輩関係なく一緒に成長していきたいです。

造園技能士の仕事について「努力次第でどんどん上を目指せて、自分のスタイルをつくっていける仕事」と語ります。

造園技能士1級の実技試験の課題。試験には何度も練習して臨んだのだそう。

お名前
古川(ふるかわ)さん
出身
須賀川市
最終学歴
帝京安積高校
好きな言葉
感謝

※この記事はaruku2024年6月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。

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