「誰かの感動のお手伝いができる素晴らしい仕事です」

これまで国内30都道府県以上、海外4地域を仕事で訪ねた笹城戸さん。
―旅行会社に就職した理由を教えてください。
笹城戸 小学生の頃、旅行好きな祖母に連れられて、旅行会社のツアーで東北を旅しました。その時間が楽しくてまた、大学時代にカナダに短期留学した際、現地のツアーに参加したのですが、そのときの添乗員さんがとても素敵な方だったことが印象に残っていて、自分もその人のように誰かの記憶に残る人になれたらと思い、旅行会社を志望しました。
―これまでどんなお仕事を担当してきましたか?
笹城戸 初の約6年はツアー添乗員としてお客様のツアーに同行し、国内外さまざまな場所へ行きました。ツアー添乗員とは、旅行会社が企画する団体旅行に同行し、お客様に安全かつ快適に旅を楽しんでいただけるできるよう、旅程を管理・サポートする仕事です。現在は、営業として社員旅行をご検討中の企業様に対してツアー内容のプランニングと提案をしています。
―添乗員になるためにはどんなことを学ぶ必要がありますか?
笹城戸 入社後、約一ヵ月をかけて、旅行の基礎知識やお客様の対応に必要なマナーなどの研修を受けました。研修が終わると、旅程管理主任者という資格の取得試験があり、合格すれば添乗員として働けるようになります。
―添乗員の仕事のやりがいや面白さを教えてください。
笹城戸 国内30~35都道府県を訪ねたほか、海外ではタイ、シンガポール、台湾、香港に行きました。プライベートでこれだけ多くの場所に行くことは難しいですから、とても貴重な経験ができる仕事だと思っています。旅行が終わったときに「ありがとう」「またよろしく」などとお客様からお声をかけていただけると、自分の仕事を認めていただけた気がして、次の添乗も頑張ろうという気持ちになれます。
―一番思い出に残っている場所はどこですか?
笹城戸 初めて一人で添乗を担当した北海道富良野市です。緊張しながら訪ねた富良野で見た景色は今も忘れられません。また、当時富良野にあった「北の国から資料館」を訪ねたとき、ツアー参加者の方が展示を見て涙を流しているのを見て、誰かの感動のお手伝いができる素晴らしい仕事なんだと思ったことを覚えています。個人的にまた訪ねてみたいのは金沢市や高知市です。金沢は歴史的な町並みが残っていて美しいですし、高知は目の前で藁焼きして提供してもらえるカツオのたたきがとてもおいしいです。
―営業のお仕事で心がけていることはありますか?
笹城戸 社員旅行で長くお世話になっているお客様に対しては、過去のツアー先や宿泊したホテルなどをすべて覚えておいて、今までの旅行内容とかぶらない提案ができるように心がけています。
―大変なことはどんなことでしょうか。
笹城戸 海外での添乗で、お客様が体調を崩された際に、現地で日本語対応ができる病院を探して連れて行かなければならなかったのは苦労しました。ツアーでは、少なくて20~30人、修学旅行の場合は200人程度の添乗を担当することもありますが、ツアー中にお客様に何かあれば、夜中であっても添乗員が対応しなければなりません。そのため、ツアー中は枕元に携帯電話を置いた状態で寝るようにしています。その場その場で瞬時に判断し自分の責任で行動しなければならないシーンも多いですが、そのおかげで判断力を養うことができたと思います。
―今後やってみたいことはありますか?
笹城戸 当社は以前、女性は結婚すると退職したり、添乗員や営業の仕事から外れて内勤に異動したりするケースがほとんどでした。でも、私は結婚や出産をしても営業やツアー提案の仕事を続けたかったので、会社に申し出て、東北の支店で初めてそれを叶えてもらいました。私が頑張ることで、女性でもこういった働き方ができるんだということを後輩に見せていければと思っています。
―旅行会社での仕事に興味を持った子ども達にメッセージをお願いします。
笹城戸 いろんなところへ旅行に行ってそれぞれの土地の空気を感じてほしいですし、ツアーで旅行に行くのであれば添乗員のこともぜひ気にしてほしいです。訪ねる先の歴史や文化にも興味を持ってもらいたいですね。私は大学時代に英語を学んだことから、「添乗員になったら外国に行って活躍できるだろう」という安易な発想もありました。でも、訪ねた国や地域の文化や歴史まで把握していないと、せっかくの英語も活かしきれないのだということに、添乗員になってから気づきました。やりたいことがあるなら、そのことだけを見るのではなく、関連することも学ぶ意識を持ってほしいと思います。

繁忙期には2週間ほどツアーが続くこともあったそう。体調管理のコツは「しっかり寝ること」と教えてくれました。

その時々の流行や話題の観光地を常にリサーチし提案しています。
プロフィール
【お名前】
笹城戸 美穂(ささきど みほ)さん
【最終学歴】
東北学院大学文学部英文学科卒
【趣味】
日帰り温泉、犬の散歩
【座右の銘】
一期一会
※この記事はaruku2026年2月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。