ご当地ヒーロー | プロフェッショナル夢名鑑

一人の父親として、そしてヒーローとして、これからも新しいことに挑戦し続けます。

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ダルライザーはどのようにして誕生したのですか?

和知 僕は10代の頃から俳優になりたくて、東京で演劇を勉強し、舞台俳優をしていたのですが、結婚を機に地元である白河に戻ってきたことから始まります。それからほどなくして、「慢性膵炎」という病気を患いました。慢性のため、食生活に気を遣いながら通院を続け、気持ちが滅入る日々を妻が支えてくれました。そして子供が誕生し、僕の気持ちが“変心”したのです。この子のために自分は何が出来るのかと想像した時に、今まで何とも思っていなかった街に対して「このままで良いのか」と思い始めたのです。街は活気を失い、お店のシャッターは閉まりっぱなし。そのような環境で、この子が大きくなっても果たして幸せなのだろうかと。そんな時、僕が所属する白河商工会議所で「白河市のキャラクターと作ろう」との話が持ち上がりました。この話を聞いたとき、僕の頭の中で白河だるまをモチーフにした“ヒーロー”の姿が浮かび上がったのです。これなら子ども達が幸せになる環境が作れるかもしれない、自分に万が一のことがあっても父親として何か残せるかもしれない。だるまの精神である七転び八起きを“努力と工夫で何度でも立ち上がれ”という決めセリフに変え、誕生したのが決して諦めないヒーロー「ダルライザー」なのです。

普段はどのような活動を行っているのですか?

和知 幼稚園やイベントでのショーや、街のPR活動などが主な活動内容ですが、やる気や元気に繋がるとのことで最近は講演会の依頼も増えています。例えばここ数年、県の新人職員研修での講演を担当したのですが、どのように企画を立て、実行し、宣伝すれば良いのかなどのプロモーションに関するお話をさせて頂いています。実際、キャラクターのデザイン考案からショーの脚本や演出、メンバーの演技指導などダルライザーに関するプロモーション業務は僕自身で行っているので。今までの経験で得たものを皆さんに伝え、新たなヒーローを増やすことが自分の役目だと思っています。

様々なことに挑戦し続けているのですね。

和知 やりたい事に対して真剣に向き合い、チャレンジを続けて社会に貢献する。それこそが僕が考える“ヒーロー”なのです。以前地元の高校で講演会を開催した後、頂いた感想に「将来、何をしていいのか分からない」、「好きなことはあるけど、自信がない」と7割くらいの生徒さん達が前置きをしながらも、講演を聞いて「新しいことに挑戦することは怖いけど、一歩踏み出したくなった」と前向きになれた事を書いてくれました。それは本当に嬉しいことで、この子たちが社会に出て、様々な経験を積んだ後に白河に戻ってきてくれたら、この街にとって間違いなくプラスになると心から感じました。僕はダルライザーで人を呼ぶことが街の活性化に繋がるとは考えていません。本当の活気は住む人々が心から元気になること。そのために僕にできる事は何かにチャレンジして、時に失敗しても成功するまで何度でも起き上がる姿を、子供たちに見せ続けることだと思っています。例えダルライザーがいなくなっても、諦めない気持ちがあれば、時代に合わせて足りないものを補える、強い心が育つと信じているからです。

白河市のご当地ヒーロー ダルライザーの秘密に迫る!

白河市公認のご当地ヒーロー!転んでも起き上がるダルマをモチーフに、起き上がる(ライズ)をプラスした名前を持つ。

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白河市の知名度アップ・活性化を目的に、日夜ショーやイベントに参加している。

:必殺技なし、特殊能力もなし!強さの秘密は日々のトレーニング! どこまでも等身大のヒーロー、それがダルライザーだ!
スーツ:もともとダルマに手足が生えたようなデザインだったものに試行錯誤を重ね、現在のスタイルに!
:持ち前の負けん気の強さと前向きさで幾多の困難を乗り越える。街を愛する想いは誰にも負けない!

白河市の魅力をPRするため日々奮闘中!過去には新白河駅の一日駅長にも。

劇場版ダルライザーの撮影風景。有名映画にも使用された格闘技「ケイシ」を用いたアクションは必見です。

 

お名前
ダルライザープランニング代表 和知 健明さん(わち たけあき)さん
出身地
福島県白河市
出身校
桐朋学園芸術短期大学 演劇専攻
休日の過ごし方
トレーニング、プラモデル作り

※この記事はaruku2017年5月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。

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