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郡山市

世界に通用する福島の日本料理を!料理人一家のDNAが紡ぐ、らん亭~美日庵【びびあん】ヒストリー

旬の食材はもちろん、器や盛り付けの彩りにも季節を感じられる伝統的な日本料理を、大将の洗練された技と感性による一期一会のもてなしで楽しめる、らん亭~美日庵【びびあん】。郡山はもとより、福島を代表する割烹として多くの食通を唸らせている名店ですが、現在の地位を築くまでには、料理人一家が脈々と受け継いできた100年以上に及ぶ波乱万丈の物語がありました。

ヒストリー01 “亀蜂”と呼ばれた男

らん亭の大将、五十嵐公さん


郡山市富田町の住宅街に、ひっそりと佇むらん亭~美日庵【びびあん】。今の場所に店を構えるようになったのは2004年のことですが、そのルーツとなったお店が百数十年前の須賀川市にあったことを大将の五十嵐公さんが教えてくれました。
「元々、うちは代々続く料理人の家系でね。その原点ともいえる店が須賀川市にあった『亀蜂』って店だったんだよ」
このお店を出した人物こそ、大将の曾祖父である五十嵐和三郎さん。実は和三郎さん、とにかく破天荒な人だったのだそう。現在の奥会津の田舎の出身ながら単身、仙台の国分町に飛び出し料理人として働く傍ら、集金に行くと言ってはそのお金で遊び惚けて3日も帰らなかったり、隣に住む人妻と恋に落ちたりと武勇伝には事欠かなかったといいます。

須賀川市の亀蜂


「福島に戻って降り立ったのが須賀川市だったみたい。こっちにきてからは魚を売り歩く行商の仕事をしていたみたいだけど、当時、海のない須賀川市で魚なんて贅沢品。当然そんなに売れるわけなくて、周りからはあいつは危なっかしい奴だと、スズメバチを意味する“亀蜂”なんて呼ばれていたみたい(笑)」。
それでも人を惹きつける魅力と料理の腕はあったという和三郎さん。自身のあだ名であった“亀蜂”を店名に、自分の店を出すことになったといいます。

亀蜂にて。義一さんと奥さま

ヒストリー02 DNAへの反発と宿命

祖父の友緒さん


以来、祖父の友緒さん、父の義一さんと三代に渡って受け継がれてきた『亀蜂』の歴史。芸者遊びをしながら和食や寿司を楽しめる割烹として、地元の人たちのハレの日を祝う場として、戦前から戦後にかけての激動の時代を駆け抜けたこの場所で、今回の主役となる五十嵐公さんは生まれ育ちました。
「和三郎さんの血筋なのかじいちゃんも酒が大好きな豪快な人(笑)。予科練として出兵していたこともある親父はとにかく怖くてね、小さい頃は何か悪さをしたらすぐに拳が飛んできた。そんな環境で育ったせいか、家業を継ぎたくないって反発していた時期もあったんだよ」。
当時はまだまだ日本が貧しかった時代。料理の世界に飛び込む若者の中には「学歴よりも手に職を」という人も多く、料理人の地位は決して高くはなかったといいます。そんな中、公さんが料理人の道に進んだのには何か大きな転機があったのでしょうか?

父・義一さん


「小学校に入る前からから包丁は握っていたし、今思えばいつかは料理の道に進むんだって漠然と受け入れていたような気もするね。でも、すんなり継ぐのはしゃくだったから(笑)、親父には京都で修行させてもらうならいいよ、なんて言ってたんだ」。

ヒストリー03 本場京都で日本料理の神髄を学ぶ

とはいえ京都の高級料亭とのツテなどそう簡単にはできなそうなもの…。しかし、ここで五十嵐家の運命を左右する奇跡的な出会いが公さんを京都へと向かわせることとなります。
「親父の予科練時代の先輩がたまたま京都の人で。その人の口利きで京都で修行させてもらえることになったんだよ」。
こうして修行に赴いたのは『祇園川上』。日本料理の本場である京都でミシュランの星を獲得している、一流中の一流店です!ここでの修行経験が公さんにとって現在の『らん亭』の根幹へと直結することとなります。

祇園川上の師匠・故 松井新七さん、当時のスタッフと並木らん亭にて


「周りで修行に来ているやつらもみんな料理やのせがればかり。ここで日本料理の帝王学を学んで自分の店を継ぐんだって高い意識を持っているから、本当にレベルが高かった!みんな仕事を覚えるのは早いし丁寧。朝早くから夜遅くまでみっちり働きづめだからそりゃあしんどかったけど、その分、腕も自信もついたよね!」
こうして濃密な時間を過ごした後、いよいよ福島へと戻る日がきました。

ヒストリー04 郡山で花開く『らん亭』の歴史

3代続く割烹に本場京都仕込みの公さんの技が加われば、この先は順風満帆…。
そんな予想とは裏腹に当時は時代の転換期。安価で身近なチェーン店の居酒屋も増え、対照的に割烹での芸者遊びや結婚式は影を潜めていっていました。そんなタイミングで福島に戻った公さんがとった決断は、『亀蜂』の4代目ではなく、郡山駅前を新天地に『らん亭』を始めることでした。

駅前のらん亭にて。女将さんと大将公さん。


「親父と一緒に郡山で店を始めることにしたけど、最初はかなり苦労したよ。京都と福島じゃ食材も食文化も全然違う。本格的なコースは気取ってるって見られてできないのが現実だったよ。ワンコインで刺身だって出したし、酒のアテにと揚げ出し豆腐も作った。とにかくこの仕事を続けていくために必死。でもそれが本当に楽しかったし、その積み重ねがあったからこそ、今があるんだと思うよ」。
1981年に郡山駅前にオープンした『らん亭』は、10年後の1991年には並木に移転、そして2004年には現在の『らん亭~美日庵』として、歴史を刻み続けています。

ヒストリー05 料理人一家の物語は次の世代へ…

器や盛り付けの彩りひとつひとつに感性が光ります。


『らん亭』としても40年以上、『亀蜂』時代を合わせると4代に渡って料理の道に携わってきた五十嵐さん一家の物語には続きがあります。次の主役は息子の庄大朗さん。公さんと同じように大学卒業後に料理の道に進み、富山・京都・青山と星付きのお店で経験を積んできました。近い将来には、都内に自分の店を持つ予定なのだとか。

息子の庄大朗さん(写真右)と。


「自分の店を継いでほしいと考えていた時期もあったけど、今は東京で独り立ちした息子が誇らしいんだ。何より福島の食の魅力を向こうで広めたいって言ってくれるのが嬉しくてね!」
もちろん、息子さんの活躍に負けまいと『らん亭』と公さんもこれからも高みを目指してくれるはず。そんな思いに触れながら味わう料理は、特別な日をさらに特別なものにしてくれることでしょう。

様々な需要にも対応!家でもらん亭~美日庵~【びびあん】の味を愉しめます。
本格日本料理をお家で楽しむ!郡山にある「らん亭~美日庵」のテイクアウト♪

SHOP INFO

らん亭~美日庵【びびあん】

Googleマップ

福島県郡山市富田東5丁目1-1

    【予約制】
    営/11:30~14:30(Lo.13:00) ※土日祝祭日のみ、17:30~22:00
    休/月曜
    P/あり

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