ネットワークエンジニア|プロフェッショナル夢名鑑 

仕事や学校現場に不可欠なネットワークの構築に携わる、ネットワークエンジニアにお話を伺いました。

お客様からネットワークを安心して使えるようになったと言ってもらえることが喜びです

お客様のご要望に合ったシステムを構築することが最も難しく、やりがいのある業務だといいます。


ネットワークエンジニアとはどのようなお仕事ですか?
遠藤 会社や学校、病院などで使う「コンピューターネットワーク」の構築や、安心して使えるための保守管理などを行う仕事です。コンピューターネットワークとは、複数のコンピュータ同士がつながって情報をやり取りできる技術のことで、私たちが普段使うインターネットもその一つ。線を繋がなくてもスマホやパソコンから動画や検索できるようにしたり、会社などではデータを保存する「サーバー」から必要な情報を閲覧できるようにしたり。反対に、大切な情報が外に漏れ出ないように会社内だけで見られるように設定したりすることで、安全で便利に仕事ができる環境を提供しています。技術職と呼ばれる仕事ですが、お客様の悩みや要望に合わせて、どのようなシステムにすれば使いやすいかを提案するため、営業職のような役割もありますね。

学校現場でもご活躍されているそうですね。
遠藤 小中学校のタブレット端末では、インターネットを使ってわからないことを調べたり、クラスメートの意見を共有したりすることができます。これは、私たちネットワークエンジニアが学校にしっかりとしたWi-Fiを開通させてクラス全員が滞りなくタブレット端末で学習できるようなネットワークを構築しているからです。他にも、先生が児童・生徒の出欠や成績の管理を行う「校務支援システム」を全校で使えるよう整備したりしています。

遠藤さんがシステム関係のお仕事に就こうと思ったきっかけを教えてください。
遠藤 パソコンやシステムに触れることが好きだったからです。小学生のころ、「これからの時代はパソコンが必要」と聞いた両親がパソコンを購入したことをきっかけに、インターネットをよく使っていました。次第に機械部分を分解してみたり、設定を変えたらどうなるのかを確かめてみることに夢中になり、大学時代も趣味で機械を改造して、より便利に使える方法がないか試していました。今の仕事でも故障や通信の不具合が起きた時に原因を調べて修理することもあるので、その経験はすごくいきていますね。

この仕事を始めた直後はどのようなことで苦労しましたか?
遠藤 ネットワークやサーバーは目に見えない分わからないことばかりでしたが、たとえ新人であってもお客様から見たらプロ。責任を持ってお客様のご要望に答えたかったので、わからないことはどんどん調べて、どんなことでも答えられるようにしていました。一連の流れをスムーズに踏めるようになるまでは5~6年ほどかかりましたが、ネットワークやシステムに関することはもともと好きだったこともあり、高いモチベーションでスキルアップすることができました。

最近お客様から多く受けるご要望はどんなものですか?
遠藤 セキュリティ対策です。近年、情報の多くが従来の紙ではなくデータとして保管されるようになりました。ですが、システムに不正な侵入を受け、顧客情報や個人情報、企業として守るべき技術情報などが社外に流出してしまうと、損害を受けるだけではなく社会的信用も失ってしまいます。皆さんも、学校の成績やクレジットカードの暗証番号が他人に見られたら大変ですよね。しっかり鍵をかけて外からのぞかれないよう、情報を守るのも私たちの仕事です。最近は「クラウド」を使って外部にデータを保存することも一般的になりましたが、私の会社でも、各企業の膨大なデータを預かる「データセンター」という施設があります。高いセキュリティ環境で大切な情報を保管できる、そういった施設の需要は高まっています。

やりがいを感じる瞬間を教えてください。
遠藤 お客様の要望をくみ取り、うまくご提案できた結果、「安心して使えるようになった」「使いやすくなった」と言ってもらえることが喜びです。学校のように大規模なネットワークを構築することもありますが、逆に社員数人の会社でシステム構築を請け負うことも。お客様の喜ぶ顔を見ることは仕事の規模に関係なく嬉しいです。

ネットワークシステムは今後どのように変化していくとお考えですか?
遠藤 新しいクラウドサービスが出てきたり、「5G」の次は「6G」の研究開発が進められていたり、通信技術はどんどん進歩しています。私たちの生活も増々ネットワークが欠かせないものとなるでしょう。だからこそ安心・安全・快適に利用できるよう、それを管理する私たちの役割が重要になってくると思います。

もともと機械いじりが趣味である遠藤さん。先輩の背中を見ながらどんどんスキルを積み上げていきました。


最近はテレワークを導入するためのシステム構築を依頼されることも多いとか。ネットワークエンジニアの需要は高まっています。

お名前
遠藤(えんどう)さん
休日の過ごし方
家族とキャンプ、福島ファイヤーボンズの応援

※この記事はaruku2022年11月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。

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