震災・原発事故からのふくしまの復興の軌跡や今も残る課題に触れたり、放射線や環境問題について学ぶことができる、「コミュタン福島」。体を使った体験型の展示も多く、子どもたちにとっては科学への興味が深まる場所でもありますが、よりその楽しさや理解を深めるためにぜひ知ってほしいのが、コミュタン福島のスタッフさんによる“アテンド”サービスです。もっと楽しく学べる場所にしたいと日々取り組んでいるスタッフさんにお話を伺いました。

コミュタンスタッフのみなさま

Q“アテンド”とはどのようなことをするのですか？

コミュタンスタッフA:文字通りコミュタン福島のスタッフが同行して館内の展示を案内します。平日は、小学校・中学校の団体様が多く来館され、学年に合わせた案内を行っています。また、SDGｓや再生可能エネルギー、放射線など興味のある分野について重点的に案内することもあります。

コミュタンスタッフB:もちろん、子どもたちだけでなく大人の方に向けたアテンドも行っています。事前予約は必要となりますが、団体やグループで来館される場合はぜひ気軽に利用して頂きたいですね。

Q“アテンド”を利用することでどんな利点があるのでしょうか？

コミュタンスタッフA:コミュタン福島の展示は体験しながら楽しんでもらうように工夫していますが、楽しいだけでなく、「どうしてそうなるの？」と疑問を持つことが大切だと思います。そうした好奇心を育むお手伝いができればと思っています。

コミュタンスタッフB:たとえば、放射線は目に見えませんが、放射線が通った跡である飛跡を見ることができる「霧箱」という装置があります。ただそれを見るのではなく、どのような仕組みで飛跡を見ることができるのかが分かると、放射線の特性についても学ぶことができますよね。しかも、実は誰もが見たことがある、ひこうき雲ができる仕組みが霧箱とよく似た仕組みだと分かれば、なんとなく身近なものに感じられるかと思います。

コミュタンスタッフA:こちらは未来創造インフォストリームのコーナーです。ここでは環境創造センターが取り組んできた研究などについて、タッチパネル形式のデジタルサイネージで表示しています。自分の気になるテーマをどんどん深掘りすることができるのですが、情報量が豊富すぎるあまり、どこから調べればいいのか悩む方も多いかもしれません。

コミュタンスタッフB:そうした時にアテンドするスタッフがいれば、環境、原発、放射線など関心がある分野について効率的に調べることができると思います。また、スタッフは常駐しているのでアテンドを利用していない個人の方でも気になる展示があったり知りたいことがあれば、気軽に声をかけてほしいですね。

Qどんなことを心掛けてアテンドしていますか？

コミュタンスタッフA:もともと、コミュタン福島は原発事故後の放射線や環境問題について、県民の皆さまの不安や疑問にこたえるためにつくられました。やみくもに怖がったり不安に感じたりすることで、風評被害も生まれてしまいます。直接アテンドすることで、科学的根拠に基づく確かな情報を伝えていければと考えています。


コミュタンスタッフB:私も同じです。福島で暮らす子どもたちが将来、福島を巣立った時に安心して胸を張っていけるように、県外や海外の人たちにも発信していきたいです。英語を話せるスタッフも多く、中にはネイティブのスタッフもいます。グローバルな視点にも対応できるのが強みだと思います。また、手話対応ができるスタッフもいます。

コミュタンスタッフA:そのほかにも、来館者の年齢や興味に合わせた案内を心がけています。たとえば、当時の状況を知らない子どもたちには、できるだけ難しい専門用語を使わず、質問形式にした対話型の案内を意識していますね。

コミュタンスタッフB:逆に放射性物質について不安を感じている大人の方には、具体的な数字やデータを示すことで安心してもらえることも多くあります。コミュニケーションを大切にしながら、ニーズにあったアテンドができれば嬉しいですね。

Q他にもコミュタンスタッフと一緒にできることはありますか？

コミュタンスタッフA:コミュタン福島では週末や学校の長期休業等に、科学実験や工作体験などの体験プログラムを実施しています。合わせて利用することで、より楽しみながら学ぶことができると思います。

コミュタンスタッフB:そうですね！体験プログラムは季節やテーマによって変わるので、来るたびに違った発見があるのも魅力だと思います。子ども向けの内容だけでなく、大人の方でも楽しめるものも多いので、興味がある方はぜひ参加していただきたいですね。