こおりやま広域圏17市町村の魅力を移住者の方の視点からご紹介する「わがまち魅力発見」。第1回は、田村市に移住された中山真波さんに「わがまち」の魅力を語っていただきます。
田村市とは
田村市は、郡山市の東、阿武隈高地の山間に位置する市です。
人口:32,534人(2024年8月1日現在)
面積:458.33平方キロメートル
アクセス:電車JR東京駅より磐越東線船引駅まで約3時間、郡山駅より約30分
車:東京より田村市中心部まで約3時間30分、郡山市中心部より約40分
見どころスポット① あぶくま洞
総延長約4,200メートル!国内屈指の規模を誇る鍾乳洞です。長い歳月をかけて生み出された鍾乳石は、大自然のアートともいうべき美しさ。大小さまざまな鍾乳石を気軽に楽しめる「一般コース」に加え、狭い通路をかがんで通ったり丸太のはしごを登ったりなど、ちょっとしたスリルが味わえる「探検コース」もあります。洞内の気温は年間を通して15度前後と、暑い夏でも快適に過ごせるのも魅力です。
見どころスポット② ムシムシランド
子どもたちに大人気な昆虫のテーマパーク!約1,000匹のカブトムシが自然に近い状態で放し飼いにされているカブトムシドームは、夏になると多くの家族連れで賑わいます。また、カブトムシの形をした昆虫館には、世界のカブトムシやクワガタが飼育展示されているほか、昆虫の標本も展示されています。自然豊かな園内にはレストランやキャンプ場もあり、家族の思い出作りにもピッタリの施設です。
インタビュー:山城跡の古民家を購入。「姫」って呼ばれています(笑)
おせっかいではなく、自然に面倒を見てくださる方ばかり
―田村市へはいつ移住されましたか?
中山 2020年です。それまでも仕事の関係で約20年前から東京都荒川区と福島で多拠点生活をしていて、福島市や飯舘村にいた頃もあったのですが、田村市には一度も来たことがありませんでした。きっかけは、たまたまインターネットで田村市の地域活性化の取組を目にしたこと。おもしろいことをやっているなと思って市に問い合わせ、現在は地域資源を活かしたまちづくりを手がける一般社団法人Switchに所属しながら、移住の取組や食の6次産業化に関わる仕事をしています。
―地元の方々の印象を教えてください。
中山 とっても面倒見が良い方ばかりです。決しておせっかいなのではなく、自然に面倒を見てくださいます。今、田村市の中心部から北に車で10分ほど走ったところにある古民家を所有して、そこで農業や田舎暮らしの体験ができるように整備を進めています。長く手つかずだった場所なので草刈りも大変なのですが、仕事では出張も多く、作業が疎かになってしまうこともあります。そんな場合でも率先して草刈りをしてくださったり、古民家周辺の土地の特性を理解したうえで畑に何を植えたら良いのかアドバイスをくださったり。みなさんにとっては当たり前の行動なのかもしれませんが、発見や感謝が日々とても多いです。
地域の方たちと一緒に商品化に関わったナツハゼジャムを広めたい!
―田村市でよく行く場所、おすすめの場所はありますか?
中山 ご飯をよく食べに行くのは、市内都路町にある「よりあい処 華」さんです。ご飯がおいしいのはもちろんですが、地域の方に出会ったり紹介していただいたりすることが、これまでたくさんありました。
お勧めの場所は、滝根町にある「星の村天文台」です。私、以前はあまり星に興味がなかったんです。でも、仕事でたまたま星の村天文台へ行き、係の方の説明を受けて初めて「こんなにおもしろいんだ」と気づいて、一気に興味が湧きました。太陽のフレアがたくさん出ると地球の磁力が歪んで電波障害が起きるという話も聞いて、知らなかったなって。こういうことを子どものうちに知る機会がもっとあるべきだと思います。ビオトープもそうですが、教科書だけじゃわからないことを学べる場所が田村市にはあるんです。
―おすすめの名産品、特産品を教えてください。
中山 私も商品化に関わった「ナツハゼジャム」です。現在、田村市のふるさと納税の返礼品の一つにしていただいています。田村市は以前、ブルーベリーの仲間であるナツハゼの生産量が全国1位だったそうですが、東日本大震災で生産量が落ちてしまいました。「中山さんにお願いすればまた生産量を増やしてくれるかも」と苗木を譲っていただいたので、ぜひ復活させたいと思って、生産と商品化に取り組んでいます。ブルーベリーよりもポリフェノール値が高く、インフルエンザの予防効果があるという大学の研究成果もあるナツハゼ。そうした価値もしっかり伝えていきたいです。
不便さも楽しく感じられる方に来てほしい
―田村市でやってみたいことや目標はありますか?
中山 購入した古民家がある場所は、実は戦国時代の山城跡なんです。地域の方からは「姫が来た!」と言われています(笑)。地域にとって大切な場所ですから、今後はそこを守り育てる活動をしていきたいと思っています。
古民家の近くには、以前は田んぼだった場所があって、今はビオトープのような状態になっています。そこには、ゲンゴロウやミズカマキリ、アカハライモリ、ドジョウなどの生き物が今もたくさんいます。また、絶滅危惧種に指定されているような水中植物も生息していて、植物学の研究者の方々も注目してくださっています。地域の人と一緒に保護活動をしつつ、その価値を広くPRしていきたいですね。きちんと整備された動物園や水族館も良いですが、できれば自然のままの状態で見てほしい。都会の子どもたちを招いて観察会を開くなど、地域おこしの一つのコンテンツとして整備をしたいと考えています。
―移住を検討されている方にメッセージをお願いします。
中山 田村市に移住される方は年々増えています。田舎暮らしへの憧れを持つ方は多いと思いますが、その中には不便さもあるもの。その不便さを楽しいと思えるような人に、ぜひ田村市に来ていただきたいですね。それと、人付き合いが苦手ではない方。田舎は人が少ないからそんなに人付き合いしなくても良いんじゃないかと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、田舎こそ人と人とのつながりが大切です。一度つながりができれば、みなさん家族のように接してくださる。そんな温かさに触れられることが、田村市への移住の魅力の一つだと思います。
イベント紹介
あぶくま洞秋まつり
東洋一の鍾乳石の数と種類を誇るともいわれる鍾乳洞「あぶくま洞」の特設ステージで開催される田村市の秋の一大イベント!モノマネやお笑いのステージに加え、バルーンショーやウルトラマンデッカーのショー、人気のボーカルグループ「mic-alone(マイクアローン)」のステージなど盛りだくさん!秋ならではの地元グルメも大集合で、ココロもお腹も大満足の2日間です。
■あぶくま洞秋まつり2024 食と交流の祭典
日時:2024年9/28(土)・29(日)10:00~16:00
会場:あぶくま洞広場 特設ステージ(臨時駐車場、シャトルバス運行あり)料金:500円(環境整備金として)
その他のイベント
4月下旬~5月上旬 あぶくま洞春まつり
6月上旬 星の村天文台・星まつり
7月中旬~8月下旬 ムシムシランドカブトムシドームオープン
8月上旬 都路灯まつり&盆踊り大会
8月中旬 あぶくま洞夏まつり
8月中旬 ときわ盆フェスタ
8月中旬 鬼の里納涼夏祭り
8月中旬 灯籠流しと花火大会
9月下旬 あぶくま洞秋まつり
11月下旬 田村市新そばまつり
※この記事2024年9月に制作したものです。内容は取材当時のものです。