ホテルマン|プロフェッショナル夢名鑑

ホテルマンは、自分で考えて対応する力が必要な仕事です。

現在は宿泊課に所属し、宿泊プランを考えたり予約の手配をしたりする大原さん。時にはフロントに立って対応することも。

大原さんは小さい頃、どのような子どもだったんですか?

大原 中学生の頃はテニス部に入り、ほとんど部活の3年間でした。当時は子どもが好きで、幼稚園の先生に憧れていましたね。でも、漠然とした憧れだったので高校を選ぶときはあまり意識せず、商業高校を選びました。そこで経理の勉強をしながら色々な資格を取る中で、もっと簿記を勉強したいと思い、会計の専門学校へ進学したんです。

会計の知識を活かした職業に就こうと考えなかったのですか?

大原 もちろん、考えていました。だから、就職活動の際には会計の仕事も受けていたんです。ただ、就職活動を始める頃は、会計の仕事の他にサービス業にも興味を持つようになっていました。学生時代にアルバイトしていた居酒屋が常連さんも多いアットホームなお店で、お客様と触れ合う中で接客って楽しいなと思うようになり、将来はサービス業の道も良いな、と思ったのがきっかけでした。

会計系の仕事とサービス業、どちらにも興味を持ったのですね。

大原 はい。その中で郡山ビューホテルへ入りたいと思ったのは、企業説明会に参加したのがきっかけでした。そこで実際に働く人の話を聞く機会があって、総務の方が事務の仕事の他に接客対応も行うといった内容の話をしていて、ここなら会計の仕事も接客の仕事もできるのかな、と思ったんです。

就職して最初はどのような仕事をしたのですか?

大原 始めはホテル内のレストランに配属され、主に接客を行いました。そこですごく尊敬できる上司と出会い、「サービスにあまりルールはない」と教えられたんです。例えば、お茶は相手の右側から出す、という一般的なルールはありますが、左利きの方なら変えても良いとか、その場で対応することの大切さを教えてもらいました。自分では考えて動いたつもりでも、もっと考えて動けと注意を受けることは未だにありますが、その上司の教えはセクションが変わった今でも心がけています。

「目の前にいるお客様に対し、できるだけ丁寧に対応しようと心がけています」と話していました。

ホテルマンとはどのようなことをするのですか?

大原 大まかに言うと、ホテルに関することならなんでもします。宿泊・レストラン・宴会・ウエディング・会議などいろんな用途で訪れる方がいますが、すべての方を私たちホテルマンが分担して対応します。さらには、宴会、宿泊、レストランとそれぞれによく利用してくださる方がいるんですよね。だから、よく利用する方は自分の課以外のお客様でも顔と名前を覚えることが大事なんです。例えば、レストランをよく利用する方がフロントに来たりするので、他の課のお得意様を接客することも多いんですよ。そんなときに失礼が無いように注意しています。

どんなときにやりがいを感じますか?

大原 お客様が私の名前を覚えてくれて、業務以外の会話ができるようになったときですね。レストランをよく利用するお客様の中には私のことを「智美ちゃん」と呼んでくださる方もいるんです。やっぱりお客様が自分のことを覚えてくれるとすごく嬉しいし、一緒に会話できると楽しいです。

この仕事で大変なことはなんですか?

大原 どんなお客様に対しても、すぐにわからないと回答しないように努めることですね。お客様からの要望は、本当に色々なんです。一度、電話で「月極めの駐車場を紹介してくれませんか」とのお問合せを受けたときはびっくりしました。結局、すぐに返答できなかったので調べて、ここの会社なら駐車場を持ってるので紹介してくれますよ、と折り返して伝えました。実は、ホテルとはあまり関係ないような問合せがある場合もあります。新幹線動いてる?とか。でも、どんなことでもできるだけ応えるように気をつけています。

どんなことでも対応する力が求められるのですね

大原 そうですね。経験豊富なフロントの先輩だと全然違うんです。例えば、郡山から仙台に行かれるお客様から「帰り道に寄れる温泉はどこ?」って聞かれたんですよね。そんな質問、私は即答できないんですけど、その人は即答できて。他にも、「私の客室から見える山の名前を教えて」といった質問にも即答していました。そんな先輩方を見てすごいと思うし、私もそうなりたいなって思います。

ホテルマンやホテル業界に興味を持つ子どもたちへメッセージをお願いします。

大原 お客様に「すみません」と呼ばれる前に動けるのがホテルマン。だから、観察力がある方はこの業界では強みになります。そして、人と接する事が好きな人だったら向いていると思いますよ。いろんな人と接する仕事ですから。他には、外国人のお客様も結構いるので英語は話せた方が絶対に良いです。私は英語が苦手で構えてしまいますが、単語とジェスチャーで、できる限りは伝えるようにしています。これから外国の方はもっと増えると思うので、私も英語を頑張りたいと思っています。

お客様用の観光パンフレット。自らもオススメできるよう、同期と一緒に居酒屋を開拓することもあるそう。

お名前
郡山ビューホテル株式会社 宿泊課WEB推進 大原 智美(おおはら ともみ)さん
出身地
福島県郡山市
出身校
東京IT会計専門学校仙台校
休日の過ごし方
カフェ巡り、ショッピング。

※この記事はaruku2016年12月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。

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