郡山市

夏かぜにかからないために!

子どものための医療コラム

「夏かぜにかからないために!」
夏かぜとは、高温・高湿度の夏の環境を好むウイルス、主にエンテロウイルスやアデノウイルスなどによって起こる感染症のことを言います。それぞれの疾患で症状に特徴があるので、その特徴を知っておくことが大切です。

【手足口病】
病名の通り、手のひらや足の裏、口の中に水疱ができ、38度くらいの発熱がみられることもあります。熱は大体2~3日ほどで下がり、水疱も一週間くらいで治ります。手足だけでなく、肘や膝・おしりにできることもあり、水疱が水痘(みずぼうそう)と見間違える程大きいこともあります。

【ヘルパンギーナ】
のどの奥に水疱ができ、40度近い高熱が出る疾患です。水疱が破れると、つばも飲み込めないほど強いのどの痛みを感じます。3日前後で熱が下がり、一週間ほどで回復します。

【咽頭結膜炎】
プールで感染することがあるため、別名「プール熱」とも言われますが、原因であるアデノウイルス自体に季節性がなく、最近では夏に限らず流行のみられる場合があります。急に高熱を出してのどの痛みを訴えるのは他の夏かぜと似ていますが、眼が赤くなることが特徴で、腹痛や下痢を伴うこともあります。

高熱があり、のどが痛くて食欲がない時には、プリンやゼリー・ アイスクリーム・豆腐・冷めたおじや・冷製スープなど、のどごしの良いものを与えましょう。また、脱水症にならないために水分補給は大切です。経口補水液などを少しずつこまめに飲ませてあげて下さい。
夏かぜの主な感染経路として、唾液による飛沫感染と便からの経口感染があります。手洗いを徹底することで、感染する確率をかなり低くすることが出来ます。冬の時期と同様、外出先から帰ったらお子さんと楽しく手洗いをする習慣をぜひ作ってあげてください。
夏の暑さで体力が落ちているところに、エアコンをつけたままの部屋で体を冷やしすぎるのは良くありません。エアコンの温度を下げすぎないで、十分な休息と栄養、睡眠をとるように心がけましょう。また、発熱が長引いたり、頭痛や嘔吐などが続く時にはかかりつけの医療機関をすぐに受診しましょう。

お話をうかがった先生

さかい先生さかい小児科クリニック院長 酒井 英明先生
昭和大学医学部卒業。福島県立医科大学大学院修了。県内の総合病院勤務後、クリニックを開業。全国でも数少ない感染症指導医。

※この記事はaruku2019年7月号に掲載したものです。

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