テレビディレクター| プロフェッショナル夢名鑑 

演出から編集作業までスタッフの指揮を執りイメージを形にしていく。番組制作の要となるテレビディレクターにお話しを伺いました。

番組制作ではポイントを抑えながらも、自分の色が出せるようにしています。

「自分も楽しみながら番組の制作に当たるようにしています。」と伊東さん。

小さい頃はどんなお子さんでしたか?

伊東 外で遊んだり友達の家でゲームしたり、夜はテレビを観ることが多かったですね。小学生の頃は皆と同じが嫌という少しひねくれた部分があったのか、流行りに乗ることはなかったです。それと私の家は夜更かしに関しては寛容だったので、小学校高学年になると親よりも遅くまで起きてバラエティやお笑い番組を観ていることが多かったです。「ダウンタウンのごっつええ感じ」「めちゃ×2イケてるッ!」などはよく観ていました。

いつ頃テレビ業界に興味をもったのですか?

伊東 小・中学生の頃にはなんとなくですが憧れはありました。「内村プロデュース」を観てこういう番組を作ってみたいなと思ったのですが、仕事にしたいとまでは考えていませんでした。高校生の時は建物を見るのが好きだったことと、先生の勧めもあり建築などを学べる関東の大学に進学しました。就活もその分野でしていたのですがなかなか決まらず、大学卒業後半年はイベント系のアルバイトをしていました。その中で建築関係よりも、やっぱり好きだったテレビの仕事をやってみたいなと思ったんです。

そこからディレクターの道を歩まれたのですね。

伊東 最初は都内にある番組制作会社に人材を派遣する会社に入り、派遣社員としてリサーチやロケなどアシスタントディレクター業務をしていました。その後、制作会社から正社員にならないかと声をかけて頂いて8年勤めました。皆さんが知っているような番組ですと「秘密のケンミンSHOW」や「アド街ック天国」、他にも単発の特番などを5~6本担当し、6年目くらいからはディレクター業務もしていました。番組の企画や構成、現場での指示など経験を積みながら学んでいきました。30歳を過ぎて地元に戻ろうと思った時に募集があり、テレビユー福島に入社しました。

ディレクターの仕事は大変でしたか?

伊東 アシスタント時代は椅子を並べて寝たり、気づけば1ヶ月休んでいなかったり、今なら問題になるような働き方をしていました(笑)。でも自分はより過酷なものを想像していたので、辞めたいとは思いませんでしたね。良い意味で鈍感というか、そういうのが苦ではなかったんですよ。ディレクターとして大変なのは、自分の作る企画や番組が面白いと思ってもらえるか、力量が試されるところです。人の感じ方は様々なので、いろんな視点から考えるようにしています。

ディレクターとしての仕事の面白さはどんなところですか?

伊東 どんな番組を作るか大枠はあるのですが、その中で構成を考えて台本を書き、自分のイメージを形にできるところですね。放送されれば自分の責任になるので怖い部分でもありますが、一緒に制作する仲間に意見を聞いて、自分だけの視点に偏ったものにならないよう、バランスを見ながら作るようにしています。テロップを自分で入れることもあるのですが、時間があればあるほど考えてしまうので出来上がるのはいつもギリギリです(笑)。

テレビユー福島ではどんな番組を担当されたのですか?

伊東 入社してまず報道制作部の報道チームに配属となり、簡単なニュースや単発の番組など担当しました。「Nスタふくしま」ではフロアディレクターと言って本番中にスタジオで指示を出したり、新コーナーの「てくてくふくしま」の立ち上げをしたりしました。昨年9月のゴールデンタイムに放送された本宮市の特集「てくてくふくしまスペシャル」も担当しましたね。今は私を含めて5人のディレクターで新番組の制作に当たっています。

4月から新番組「ふくしまSHOW」がスタートしますね。

伊東 県内59市町村をゲストと一緒に巡り、福島の魅力を改めて知ることができる番組です。県内に住んでいても行動範囲は限られていると思うので、紹介する市町村に足を運ぶきっかけになればいいなと思います。私自身も実際にロケに行って初めて知ることや、改めて気づくこともあり、県民でも知らないことって意外とあるんだなと感じました。初回は柳沢慎吾さんと三春町を巡ります!4月8日(水)夜7時から放送ですのでぜひご覧ください。

将来を考える子どもたちにメッセージをお願いします。

伊東 興味のあるものを積極的に調べることは大事だと思います。私はテレビやゲームをきっかけに、嫌いだった歴史に興味を持ち、調べたり勉強したりしました。好きなもの興味のあることは自然とできてしまうんですよね。もちろん苦手なものも最低限やらなくてはいけないですけど。ディレクターであればリサーチも重要ですから、自分で調べて興味を持てる人はこの仕事に向いていると思います。

編集作業は時間を忘れて没頭してしまうこともあるそうです。

お名前
テレビユー福島 報道制作局 コンテンツ制作部/伊東 正仁(いとう まさと)さん
出身地
福島県郡山市 
学歴 
尚志高校、東京電機大学理工学部
お休みの日の過ごし方 
家でのんびり過ごす、買い物
TUFで担当した番組 
「Nスタふくしま」「ウドちゃんが行くラーメン探訪」など。

※この記事はaruku2020年4月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。

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