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三春町

<ガイドツアーレポート!>新しくなった「コミュタン福島」で、ふくしまの未来を描こう。

震災・原子力発電所事故からの復興の歩みに触れたり、放射線や環境問題について様々な視点から学ぶことができる体験型の展示施設「コミュタン福島」が2023年3月19日に大幅リニューアル!これまで以上に体験型の展示が増え、ふくしまの未来や環境問題について楽しみながら考えられるようになりました。arukuではリニューアルした「コミュタン福島」の様子を知るべく、スタッフの案内で展示室をめぐるモニターガイドツアーに参加。新しくなった「コミュタン福島」の見どころをツアーの様子とともに紹介します♪

「コミュタン福島」リニューアル記念イベントも必見!詳しくはこちら

モニターガイドツアーに参加したKさんファミリー。左からKさん、そらくん、こころちゃん



6つのエリアで構成されている「コミュタン福島」の展示室。それぞれ異なるテーマや視点からふくしまのこと、放射線のこと、環境のことについて、学ぶことができます。今回のモニターツアーでは5つのエリアについて、「コミュタン福島」のスタッフさんに案内してもらいました!

<エリア1 ふくしまの3.11から>復興へ向かうふくしまの歩みを振り返る


― それでは展示室の6つのエリアを順番に見ていきましょう。最初のエリアでは、震災・原子力発電所事故当時の記録と記憶や、復興に向けたふくしまの歩みについて振り返っていきます。

Kさん(以下K):当時の記憶がよみがえってくるわ。悲しい思いや辛い出来事も多かったけど、絶対に忘れてはいけないことだよね。

そらくん(以下そ):福島第一原子力発電所の事故直後の様子を再現した模型はすごくリアルだよね。改めて事故の悲惨さが伝わってきたよ。


K:これは当時の新聞記事ね。時系列で見ることで、震災直後の深刻な状況や少しずつ復興が進んでいる様子が伝わってくるね。

こころちゃん(以下こ):当時は生まれてなかったけど、今の暮らしは当たり前じゃないってことなんだよね…。


そ:映像で原子力災害との闘いや復興へ向けた歩みを見ることもできたよ!

こ:再生可能エネルギーへの取り組みや福島イノベーション・コースト構想など、ふくしまだからこそ描ける未来の姿には希望が持てたな。

K:「コミュタン福島」のリニューアルも震災があった3月…。これまでのふくしまで起きたことや、これからのふくしまのためにできることを家族みんなで考えていきたいね。

<エリア2 未来創造エリア>現在の課題と未来のビジョンをみんなで共有する


そ:展示室に入ったときから気になっていたけど、すごく大きな時計だね!刻まれているのは何の時間だろう?

― これは震災が起きた2011年3月11日の14時46分から経過した時間を刻んでいる「3.11クロック」です。

K:4300日以上かあ…。時間の経過を改めて感じるわ。でも、それだけの時間をかけて復興に取り組んできたってことなんだよね。

― そうですね。「コミュタン福島」にとってもシンボル的な存在です。このエリアではデータや映像に触れながら復興の軌跡と新たな課題を知ることができます。


― これは、マッピングふくしまという展示です。環境回復に向けたふくしまの歩みや地球規模の環境問題について、プロジェクションマッピングで紹介しています。

そ:地球温暖化や森林破壊などの環境問題についても知ることができたね。

K:対策を取った場合と何もしなかった場合で、未来の地球の平均気温にどれくらいの差が出るのか、具体的な数字まで知ることができたから、環境問題が身近に感じられたよね。


― ここは環境創造センターが取り組んできた研究などについて、タッチパネル式のデジタルサイネージで展示しています。

そ:僕は科学の分野に興味があるから環境創造センターで働いている研究者さんの生の声も聞けたのが良かったな!


こ:情報量がすごく多いし、自分が興味のあるテーマをどんどん深掘りできるのもすごいね!夏休みの自由研究とかにも役立ちそう!

<エリア3 環境回復エリア>放射線についての理解を深め、福島の復興の今を知る


― 次にご案内するのは環境回復エリア。このエリアの主なテーマは放射線です。

K:放射線って言葉だけでなんだか身構えてしまうかも。目に見えないものだからなおさらだよね…。

― そのように感じる方も多いかもしれませんね。だからこそ正しい知識を身に付けることが大切です。このエリアでは、放射線についての理解を深めてもらうために工夫を凝らした様々な展示を用意しています。

K:色々な体験や展示をとおして、放射線のことや、ふくしまの現状が分かったね。どれが印象に残ってる?


そ:僕はふだん見ることができない環境創造センターの研究の様子を見られるバーチャルラボが良かったな!クイズを交えながら紹介するから面白くて、ついつい見入っちゃった!

K:スタッフさんの解説もすごく分かりやすかった。研究の成果がどうやって活かされているかも知れたから前向きな気持ちになれたね。


そ:すごく面白かったのがこの「放射線見える化ウォール」!放射線の仕組み、体を使ったゲームで覚えられるからついつい夢中になっちゃった!

こ:手の動きが画面と連動するのが楽しかったよね!放射線の種類によって物を通り抜ける力が違うことも分かって勉強になるのもすごい!


こ:霧箱の装置もすごかったよ!目に見えない放射線の飛んだ跡を観察できたのが興味深かったな!

そ:鉱石や食物など自然界にも放射線が存在しているんだよね。得体の知れないイメージの放射線が少し身近に感じられたよ。


そ:そうそう、ここでは原子力発電所事故直後と現在のふくしまの放射線の数値も知れたよ。

こ:他県や世界と比較することで、改めて安心して暮らせることが分かったよね。


K:でも、もちろん課題も残っているのよね。今でも27,000人以上の人が避難生活を続けていることは忘れてはいけないよね。

<エリア4 環境創造エリア>環境問題を身近なものとして捉え、未来のためにできることを考える

― 次に案内する環境創造エリアは今回のリニューアルで一番変わったエリアです。どれも最新の技術を使った体験型の展示になっているんですよ。


K:これは町のジオラマかしら?よくできているね。

こ:周りには再生可能エネルギーとかゴミ問題などの環境問題についてのパネルが展示されてるよ!現状と将来の目標が両方表示されているのが興味深いね!

― さらに理解を深めるための仕掛けがあるんです。専用のタブレットをジオラマにかざしてみてください。


そ:わー!クイズが出されたり映像が浮かび上がったりしてきたよ!

K:すごい!これは全部見てみたくなるね!


― こちらはジオラマで表示していた再生可能エネルギーが県内でどれくらい導入されているかを地図で表示したものです。地域による特色が見えてきませんか?

こ:ほんとだ!浜通りは太陽光発電が盛んだね。

そ:会津地方には水力発電が多いみたいだよ。

K:こうやって見ると再生可能エネルギーと気候や地形との関係性が良く分かるよね。


―それをより体感できるのがこちらの「エネルギークリエーター」です。この映像が映っているところは、なんと砂場になっています。ぜひ触ってみてください。

こ:砂の感触が気持ちいいね!あっ、穴を掘ったら水が出てきた!

そ:ほんとだ!こっちは斜面を作ったら太陽光発電ができるみたい!

― そうなんです。地形の変化によって5つの再生可能エネルギーを体験できるようになっています。今度は壁の展示に注目してみてください。


K:さっき砂場で作った電気が壁の展示と連動してるのね!

そ:よし全種類集めてみよう!

   
― 続いて紹介するのが「ふくしまいきものサーチ」のコーナーです。ここでは県内で暮らす絶滅の危機にある希少な動植物や生態系に影響を与えている外来種について学ぶことができます。

そ:専用の虫眼鏡をシルエットにかざすと詳しい情報を知ることができるんだね!

こ:田園や森林、水の中などいろんな場所の生き物たちを探せるのが楽しいね!

K:意外な動物の数が減っていたりして勉強になったわ。環境問題ってどこか他人事だと思っていたけど、身近なところにも影響が出ているのね。

― その通りです。だからこそ、一人ひとりが自分ごととして捉えることがふくしまの未来を考える第一歩です。


― 県内には自然の恵みをふだんの生活に取り入れたサステナブルなくらしの実例がたくさんあります。ここでは、そうした実例をタッチパネルで紹介しています。

こ:イラストも可愛いからついつい見ちゃうよね。

K:そうだね。あれ、この画面はなんだろ!?あっ、私の顔が出てきた。


そ:お母さんの顔が画面の中にも出てきたよ!

―自分のアバターを画面に登場させられるんです。持続可能な暮らしを体感し、自分たちにできることをぜひ考えてみてください。

<エリア5 環境創造シアター>大迫力の全球型ドームシアターで、ふくしまの未来を創造する冒険へ出発!

― 次はこの環境創造シアターを見てみましょう。360°全方向に映像が広がる全球型のドームシアターになっていて、コミュタン福島でも特に人気があるんですよ。

 
そ:うわー、すごいー!どこを見てもきれいな景色が広がってる!

K:ほんとだ!まるで空を飛んでるみたい!

― この360°のドームシアターは全国でも東京にある「国立科学博物館」と「コミュタン福島」の2か所にしかないんです。「コミュタン福島」ならではの映像はもちろん、週末や祝日には、国立科学博物館のオリジナル番組を月替わりで上映しています。

こ:来るたびに違う番組が見られるかもしれないんだね!また絶対来たいね!

そ:ただ見るだけじゃない展示が多いから楽しいし、もっとふくしまのことや環境のことを知りたいって思ったよ!

K:子どもだけでなく大人にとってもすごく勉強になる場所ですよね。今日は本当にありがとうございました。

― そう言っていただけると嬉しいです。ありがとうございました!またのご来館をお待ちしております。

SHOP INFO

福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」

Googleマップ

福島県田村郡三春町深作10番2号(田村西部工業団地内)

営/9:00~17:00
休/月曜(月曜が祝日の場合翌平日)、年末年始(12/29~1/3)

※この記事は2023年3月に制作したものです。内容は取材当時のものです。

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