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若い世代も憧れる地方移住。人気の“福島県”で移住者に聞いた「ふくしまの魅力」は?

都会では手に入らない仕事のやりがいや自然の豊かさ、プライベートタイムがあると人気が高まる「地方移住」と「二拠点生活」。コロナ禍でリモートワークなどを導入する企業も増えているので、地方移住願望を持つ若い世代も増加中!実は、福島県は移住先として人気があり、たくさんの移住者が新しい暮らしを始めています。県外からの移住だけでなく、県内間での移住も増えているそう。
今回は、福島県内外で移住を決めた方と福島県への移住をサポートしてくれる移住コーディネーターにお話を伺いました。

県外からの移住者編

福島県には新事業や起業を応援するさまざまな制度あり、たくさんの移住者が新たな場所で夢を叶えています。

大玉村在住 千葉清美さん


ご主人の転職を機に横浜から福島県に引っ越し、自然と人のあたたかさに魅了されて移住を決意したという千葉さんご夫妻。現在は愛犬とともに念願のログハウス暮らしを満喫中!さらに、清美さんは二本松市で「あだたらのちち株式会社」を起業し、ソフトクリームの製造販売をして、全国に福島の魅力を発信しています。

― 福島県、そして大玉村に住んでみての感想を教えてください。

A. 福島県は以前2回ほど旅行で訪れた時に、過ごしやすい気候と自然の豊かさが印象に残っていましたが、県外での生活は初めてで知り合いも一人もいなかったのでとても不安でした。住んでみると、大玉村は安達太良山を背にした田園風景が美しく、人も温かく、お米や野菜、空気、水が美味しくて魅力的で。しばらくしたら横浜に戻るだろうと思っていましたが、福島の素晴らしさを夫婦で感じ、ここに永住しようと決めて家を建てたんです。

― 移住して良かったこと、暮らしの変化は?

A. 毎日、自宅の窓から見える美しい田園風景に癒やされながら暮らすのはとても贅沢だと思います。車の渋滞も少ないし、買い物もしやすい。畑で野菜を育て、憧れだったログハウスを建て、都会ではできなかった薪ストーブのある暮らしを楽しんでいます。住み始めて一番変化があったことと言えば、ソフトクリームの製造販売会社を創業したことです。

― 起業のきっかけ、今後の目標などは?

A. 大好きな福島の農畜産業を活性化できないかと考え、あだたら地域の生乳でソフトクリームを作ろうと思いました。そのために会社を設立しなければならず、どこに相談して良いか悩んでいたところ、新事業を始める人をサポートしてくれる「福島駅西口インキュベートルーム」と出合ったんです。それからは、初めてのことばかりで戸惑う私を叱咤激励しながら一緒に歩んでくれた担当者さんのおかげで何とか起業できました。今でもいろいろ相談していて、頼りにしています。今後は福島県の宝物である田園風景を守りたいと思っていて、仕事を通して尽力できるように頑張りたいです。また、起業する際に私がお世話になった「福島駅西口インキュベートルーム」の起業アテンダントの一期生として、起業を目指す女性を応援したいです。女性の力で福島県を盛り上げて貢献できれば嬉しいですね。これからもずっと、大好きな福島で暮らしていきたいです!

― 移住を考えている方へメッセージをお願いします。

A. 福島県は人が優しく、自然・食べ物が豊かで宝物がたくさんあります。自分らしく楽しみを見つけて生活できる場所なので、ぜひ福島にいらしてください!夢を叶えたいと思っている人も福島へ。県内在住で自分の思いや夢を形にしたいと思っている方も、そういう場所やサポートがあることを知ってほしいです。福島ほど素晴らしいところはないのではないかと思っています!

県内移住者編

自治体独自の補助金をきっかけに移住を決断。三春町の人々の温かさに触れ、暮らしにゆとりも生まれました!

三春町在住 渡邊衿花(えりか)さん


結婚を機にご主人とともに郡山市から三春町へ移住した渡邊さん。現在は町内のアパートでふたり暮らし。暮らしやすい三春町をとても気に入り、人の温かさに包まれながら充実した移住ライフを楽しんでいます。

― 移住のきっかけは何でしたか?
A. 結婚を機に引っ越しを考えている時に、三春町に「結婚助成制度」があることを知り、活用させていただきました。新婚世帯の引っ越しをサポートする補助金が出ることが移住の決め手になりました。

― 暮らしてみた感想や目標などはありますか?
A. 夫婦それぞれの実家と職場への利便性も考えましたが、三春町の人の温かさに触れてここに住みたいと思いました。実際に住んでからも不安はなく、町もきれい、人も温かくて楽しいと思うことばかり。思い切って引っ越してよかったです!今では生活だけでなく気持ちにも余裕が生まれ、このまま三春に長く住みたいねと主人と話しています。将来はこの町で家を建てることを目標に頑張っています。

福島県移住コーディネーター編

移住コーディネーター(県中エリア担当) 蓬田(よもぎた)守さん


小野町在住の蓬田さんは、長年移住希望者と地域の橋渡し役を担う「福島ふるさと暮らし案内人」として活動してきた移住相談のパイオニア。2017年からは福島県の移住コーディネーターとして県中エリアを担当しています。やさしい笑顔でどんな相談にも親身になって応えてくれますよ。

― 相談にくる年齢層と内容を教えてください。

A. 地方で暮らしたいという20~40代が6~7割を占めています。最近は起業を目指す方も増え、リモートワークの拠点や自然の中で子育てがしたい、農業を始めてみたいなどさまざまな目的があるようです。郡山は起業・創業にも力を入れているので若い移住者で成功している方も多いんですよ。先輩移住者にお話を聞く機会もあり、農家民宿体験や東京での相談会、交流会なども行っています。

― どのようなアドバイスをしているのですか?

A. 移住は人生を大きく左右するものなので、悔いのない納得のいくものにしてほしいです。だから、転職を希望する方は会社を辞める前にご相談ください。いっぺんに家も仕事も探すのは大変ですので。ハローワークや就職応援センターなども利用できますし、ネットに掲載されていない就職情報を私たちが探して提供します。また、農業に関心がある就農希望者で資金も土地もないという方には農業人を応援する県の制度で農業法人に協力いただき、3~4ヵ月の研修期間を経て農業の仕事を続けるかを判断していただきます。その他にも、コミュニティを心配する女性には転入女性のためのサークル、子育て世代には無料で遊べるキッズスペースの情報なども提供しています。空き家の相談も多いので情報収集もしています。

― 移住コーディネーターとして大切にしていることは何ですか?

A. 私は必ず「そこに移住して何をしたいのですか」とお聞きするようにしています。ただ都会の雑踏から逃れて田舎でのんびり暮らしたいだけという方は実はあまり長続きしない。どんなことでもいいから、やってみたいことや目的を持ってきたほうが良いんです!実際に、毎日忙しく過ごしながら楽しんでいる方がとても多いのです。
コーディネーターは移住希望者に対しての聞き取りは何より大事にしています。それぞれの願いを叶えることはもちろんですが、その方の経験と知識を地域のニーズとマッチングさせて地域の活性化へつなげることも大事だと思っています。移住をしたいと思ったら些細な事でも良いので相談にいらしてくださいね。

蓬田さんへのお問い合わせ・ご相談は
TEL.024-935-1323(福島県県中地方振興局) 

移住の支援制度や補助金を活用しよう

ふくしま移住希望者支援交通費補助金

「まずは、福島に行ってみたい!」という県外の移住希望者の皆さんにぜひ活用してほしい制度がこちら。20歳以上、県外在住で近い将来に福島県への移住(Uターン、Iターン、二地域居住)を希望・検討している方が実際に福島県内を訪れ、移住する際に必要な現地調査・現地活動を行った場合に交通費を補助(定額)してくれる制度です。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11025b/10000.html

ふくしまの空き家のリフォーム補助

空き家のリフォーム・ハウスクリーニングに最大190万円補助します。さらに子育て世代には最大250万円補助!
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/41065b/sundefukushima.html

ほかにも、さまざまな制度や支援があります。
・来てふくしま住宅取得支援事業 ・来てふくしま体験住宅提供事業 ・Fターン向け移住支援金(最大100万円) ・福島県が農業人を応援します ・福島県12市町村移住支援金(最大200万円、起業すると400万円)・ふくしま「テレワーク×くらし」体験支援補助金

福島県へ移住したい…
誰に相談して良いか分からない時の相談窓口

福島県が移住のサポート役と定める移住コーディネーターが、福島県への移住希望者を県内市町村や地域づくり団体とつないでいます。地域の特性や魅力の情報収集や発信、移住希望者それぞれのニーズに合った地域とのマッチング、空き家の情報収集と紹介など、移住に関することは何でも相談ができます。

【県内の移住コーディネーターについて】
会津・南会津・県北・県中・県南・相双・いわきの7エリアに在籍。お話を伺った蓬田さんが担当するのは県中エリアですが、ほかのエリアや東京の移住相談員や移住推進員の皆さんと連携し、移住希望者の情報を共有しながら希望に沿ったコーディネートを行っています。

各エリアの移住コーディネーターはこちらをチェック↓
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/fui/coordinator.html

※この記事は2021年6月に制作したものです。内容は取材当時のものです。

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