「皆さんに笑顔に、元気になっていただきたいと思いながら歌っています」

生まれも育ちも郡山。「地元の皆さんに喜んでもらえるような活躍がしたい」と語ります。
―歌に興味を持ったきっかけを教えてください。
楠木 3歳のとき、須賀川市民文化センターで『NHKのど自慢』の公開生放送があり、母が出場しました。その姿を見て興味を持ったのが最初のきっかけです。子ども心に衝撃的だったのだと思います。また、祖父が民謡教室の先生だったこともきっかけの一つですね。物心がついた頃には「歌手になりたい」と思うようになり、母が通っていた郡山市内のカラオケ教室に一緒に通い始めました。
―当時はどんな歌を習っていましたか?
楠木 最初から演歌です。実家に演歌のカセットテープがたくさんあって、そのなかから自分の好きな歌を選んで習っていました。覚えているのは、氷川きよしさんの「きよしのズンドコ節」や神野美伽さんの「男船」などです。当然、友達はみんな普通のポップスを聴いていたので、高校生になって友達と一緒にカラオケ行ったとき、自分だけ演歌を歌って友達に驚かれました(笑)。
―本格的に歌の世界に進もうと思ったのはいつ頃ですか?
楠木 高校3年生の夏休みに東京で開催されたカラオケ大会に出場したのですが、後日、その大会で審査員をされていた作詞家の先生から「紹介したい人がいるので東京に来て欲しい」と連絡をいただきました。それが後に僕の師匠となる女性作曲家のあらい玉英先生で、先生のもとで歌の修業を積まないかとお誘いをいただきました。ちょうど進路を考えなければいけないタイミングであり、本当に歌の世界へ進むべきか悩んでいた時期だったので、とてもありがたいお話でした。母も喜んで送り出してくれました。
―修業はどんな内容でしたか?
楠木 歌のレッスンは週に1回、1時間程度でした。それよりも、人生において歌以外に大事なこと、例えば社会人としてのマナーや一般常識などをたくさん教えていただきました。あらい先生は「うちを大学だと思いなさい」と言ってくださり、生きていくうえで大切なことをたくさん授けていただきました。
―修業は5年続いたそうですが不安はありませんでしたか?
楠木 正直、最初は「東京に行けばすぐに歌手になれるだろう」という安易な気持ちだったんです。でも、1年、2年と修業が続くうち、「本当に歌手になれるのだろうか」と不安を感じるようになりました。そんなとき、先生から「中途半端な気持ちなら福島に帰れ」と言われ、ようやく心に火がつきました。母が背中を押してくれた道でもあり簡単には諦められませんから、さらに頑張って歌を磨こうと思いを新たにしました。
―そこからどのようにデビューに至ったのでしょうか。
楠木 2023年、レコード会社「日本クラウン」のオーディションで準グランプリをいただき、CDデビューが決まりました。母はもちろん、じいちゃんとばあちゃんも心から喜んでくれました。特にばあちゃんはデビュー前まで体調を崩していたのですが、デビューが決まってからはすっかり元気になりました。郡山には、僕の夢を支え見守って下さっていた方もたくさんいらっしゃいます。そうした方々からお祝いの言葉もたくさんいただきましたし、「前の歌とはぜんぜん違うね」という言葉も多くいただきました。
―「違う」というと?
楠木 歌にハートを込められるようになったということではないでしょうか。歌手としては、ただ歌うだけではなく、人に伝わる歌を歌わななければいけません。そこが身についてきたのかもしれませんし、それは今も常に心がけていることでもあります。
―今後の目標を教えてください。
楠木 デビューから1年が経ち、自分の好きなことを仕事にできている日々に大きな幸せを感じています。1人でも多くの方々に自分のことを知っていただき、いつかは全国ツアーをやってみたいですね。郡山ならやっぱり、けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター)で歌いたいです。年末の賞レースにも絡んでみたいですし、紅白歌合戦にもいつか出られたらうれしいです。でも、あまり気取らず、まずは皆さんに歌で喜んでいただくこと、少しでも笑顔に、元気になっていただくことを目標に歌を続けます。
―子ども達にメッセージをお願いします。
楠木 僕はもともとポジティブ思考の人間で、「頑張っていればいつか何とかなる!」と思いながら修業を続けてきました。その経験を踏まえて言うならば、やりたいことがあるなら、あまり深く考えず、それに向かって焦らず進むことが大切だと伝えたいです。ポジティブな気持ちさえ持っていれば大丈夫!「なんとかなっぺ」の精神で夢を追って欲しいですね。

5年にわたる修業の時間。持ち前のポジティブ精神で乗り越えデビューを果たしました。

今年1月に2枚目のシングル「流されたって」をリリース。キャンペーンで全国を飛び回っています。
プロフィール
【お名前】
楠木 康平(くすのき こうへい)さん
【最終学歴】
帝京安積高等学校ビジネス総合課卒
【趣味】
ウォーキング、パソコン、温泉巡り
【ポリシー】
最後までやり通すこと
※この記事はaruku2026年3月号に掲載したものです。内容は取材時のものです。