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白河市

備えあれば憂いなし。震災から10年目の今だからこそ考えたい損害保険

そうだ!バリューライフの緑川さんに相談行こうvol.7

2011年3月11日東北地方太平洋沖地震から10年が経とうとした間際で発生した余震。改めて自然災害への備えを考えている方もおられるでしょう。日本では北海道から沖縄まで、何らかの自然災害に見舞われる可能性と隣合わせの生活です。今回は損害保険について緑川さんにお話しを伺いました。

2021年2月13日に福島県沖を震源とするマグネチュード7.3規模の地震が発生しました。
被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
弊社はオフィスに若干の損害がありましたが、社員は全員無事で2月15日(月)には通常通り業務を継続しております。

さて、この度の地震により2月14日付で福島県8市9町(以下参照)が災害救助法適用となりました。
●災害救助法適用市町村
福島市
郡山市
白河市
須賀川市
相馬市
南相馬市
伊達市
本宮市
伊達郡桑折町
伊達郡国見町
岩瀬郡鏡石町
大沼郡会津美里町
双葉郡広野町
双葉郡楢葉町
双葉郡富岡町
双葉郡浪江町
相馬郡新地町

これに伴いまして、以下の対応がございます。

●上記災害救助法適用地域を所在地とする契約者さま向け特例措置(生命保険業界共通の対応です)
①保険料払込猶予期間の延長
災害発生時における有効契約で、被災者より申し出があった場合においては、猶予期間を加えて最長限を6ケ月(応当月の月末まで)とする範囲内で、払込猶予期間を延長する。
②保険金の支払、契約者貸付
申し出のあったものについては、簡易迅速な取扱いをする。

上記特例措置ご利用をご希望されるお客様がいらっしゃいましたら、
ご契約されている保険会社のサービスセンターへご連絡ください。

万が一の被災!必要なのは火災保険や自動車保険などの損害保険

突然発生する地震、津波、噴火、竜巻、土砂災害。事前に発生を予見できる可能性が高いものとして台風、洪水、内水氾濫、自然災害に起因する火災などがあります。
被災したとき頼りになるのは、火災保険や自動車保険などの損害保険です。
いざという時迅速に保険金・共済金を受け取れるよう、給付申請に必要な加入情報の保管方法について考えます。

災害時と災害が落ちついてきた時に、必要なお金は違う!生活再建に必要なお金も考えておこう。


災害が起きて避難するときは着の身着のままであることもあるでしょう。お財布と携帯電話以外何も持たずに自宅を離れざるをえない場合もあります。(私は10年前の東北地方太平洋沖地震に遭遇しました際は、余震に怯えながら、停電し真っ暗な会社の部屋を脱出し、余震のなか手探りで階段を伝い、命からがらビルの外に移動しました。一時的にパニックになりましたが、財布と携帯電話のセットは持ち出せていました。)
避難当初は、情報の塊である携帯電話(スマートフォンを想定)だけあればいいかもしれません。
しかし、災害が落ち着き気持ちも整ってくると気になるのは生活再建のお金です。
大規模災害が発生すると、公助として罹災状況に応じてお金の給付を受けたり、住まいの提供を受けることができます。支援金は最大300万円(被災者生活再建支援制度)となり、家屋の修復や解体、仮住まいへの引っ越しなど、色々お金が必要です。家が壊れたら住宅ローンや家賃の支払いはどうなるのか、疑問や不安が出てくるでしょう。
被災後の生活復旧で必要なのは物資とお金です。お金の自助努力としては、民間の保険や共済から支払われる保険金・共済金があります。
普段は無駄に思える保険の掛け金は、いざというときに十分な資金を受け取ることに繋がります。

可能性のある自然災害は網羅的にカバーするプランが無難!火災保険と地震保険


火事のときの住宅再建用の保険と思われているフシのある火災保険は、火事に限らず多くの自然災害による家屋の損害を補償します。昔の契約ですと火事の補償に限定されていることもありえますが、最近は風、雹(ひょう)、雪、水害など、補償の有無を選ぶことができます。地震保険は地震だけでなく、津波や噴火も補償します。契約の際は、ケチらずに可能性のある自然災害は網羅的にカバーするプランが無難です。また、被災時の自己負担である免責金額はゼロに近いほうが、保険料は少し高くなりますが、いざというとき満額の保険金が支払われると思えば安心です。

いざという時に備える!「保険会社名と証券番号」は控えておけば保険金請求は出来る


一般的な保険金請求で必要な情報はいくつかありますが、緊急時に最低限必要な情報は、「どこの保険会社に加入しているか」です。保険会社が判明すれば、保険会社が設置する災害時のコールセンターに電話することで、本人確認の実施から保険内容の照会ができます。加入者本人だと確認できれば、そのまま保険金請求の手続きを開始することができます。したがって、緊急時に保険証券を避難所に持ち運ぶ必要はありません。メモを身近なところに残しておくことは大切です。

ただし、損害保険会社は合併を繰り返しており、都度会社名が変わります。昔契約した保険会社の今の名前がわからない場合もあります。
日本興亜損害保険(現在:損保ジャパン)、日動火災海上保険(現在:東京海上日動火災保険)など…今の保険会社の名前を確認しておきましょう!

万が一、まったく保険会社名がわからない場合は、本人および親族が日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会制度」を通じて確認することができます。
ただし、皆が損害保険協会を利用していては手間と時間がかかるだけです。
この制度の利用を前提に何も準備しないことを決めてしまうのはおすすめしません。

自動車保険も車両保険に加入していると自然災害を補償してくれる

自動車保険については、車両保険に加入していると自然災害を補償してくれる場合がありますので、火災保険だけでなく、車両保険も保険会社と証券番号は控えておくとよいでしょう。

保険アプリで保険証券をデジタル保存しておくことでいつでも確認できる!


スマホのカメラで写真を撮ってある人もいるかも知れませんが、保険アプリはデジタル保存にはおすすめです。1つは保険会社や保険代理店、保険サービス会社の提供する保険アプリです。保険証券の写真を保険アプリに保管すると、画像解析ソフトが保険の内容を把握し補償内容を明示することもできます。
私は損害保険会社の提供する保険アプリに火災保険の情報を保管しています。
ただし、保険アプリの仕組みを見ると、保険販売につなげるような導線設計になっていることが多いものです。そのため不足している保険の情報など、営業的なお知らせをしてくる可能性もあります。保険アプリはいくつかありますので、アプリ提供者とサービスを比較することをおすすめします。

クラウドに保険証券をデジタル保存でもOK!検索も簡単!


GoogleDriveやOneDriveなどのクラウド上に保険会社と証券番号を残す方法も確認がしやすくおススメです。個人的には、Googleスプレッドシートに保険会社名と証券番号をまとめておくか、Gメールなどセキュリティに不安のない状態で自分宛てに保険会社と証券番号を送付しておくと良いのではないかと思います。GoogleKeepであれば保険証券の写真を保管した後、画像内の文字をテキストに起こしてくれる機能がありますので、後で検索することを前提に考えると、利用価値は高いと言えます。
※画像から上手く文字起こしができない場合もあります。
保険会社と証券番号の保存はあくまで自己責任ですが、クラウドに保管しておけばいつでも照会可能ですし、検索すればすぐに見つかるためいざというとき便利です。
個人を特定されるような情報を保管しなければ、証券番号を知られただけで勝手に解約されるなどの事態は起こりません。

時効に注意!被災された場合は大変でもなるべく早く請求の手続きを。


火災保険や自動車保険については、家族が代わりにデータを管理するのも有効です。契約者が高齢である場合は、周りの方に委ねてもいいでしょう。
改めて、保険加入で最も大切なことは、支払った保険料の対価である保険金を受け取ることです。
保険金請求には時効もあるため、被災された場合は忙しい最中ではありますが請求することをおすすめします。

今後1ケ月程度は、同規模の地震が再発する恐れがあるとの報道もあります。くれぐれも「安全第一」でお過ごしください。

損害保険の賢い見直しのご相談受付はこちらから。
HP:https://www.みんなの保険相談.com/

この記事のまとめ

①可能性のある自然災害を網羅的にカバーするプランにはいるべし
②「保険会社名と証券番号」は控えておこう
③デジタルも活用して「保険会社名と証券番号」はとにかく控えておこう

お話を伺ったのはこの方

気軽に相談できると評判の緑川浩司さん

1997年1月より外資系生命保険会社に勤務。その後、損保系生命保険会社、外資系生命保険会社でスカウト活動・コーチングを従事しマネージャーとして勤務し、現在はバリューライフコミュニケーション株式会社代表取締役。お客様の“人生″をサポートするため、ライフシュミレーションを通して将来のライフイベントに即した資金計画相談や保険相談に応えている。相談件数が1年間に500件以上ある人気のライフコンサルタントである。
【執筆実績】 最新保険ランキング監修委員・老後のお金安心ガイド監修委員・ガレージライフ(災害時の保険) ・お金BANKプロ
【セミナー実績】ライフプラン相談会・住宅ローン相談会

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