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郡山市

読書の良さや本の魅力を知ればもっと楽しくなる!本活のススメ

本を読みたいと思いつつ、気がつけばスマホを見てばかり…。そこで、読書の良さやこの秋読みたい本を書店員さんにリサーチ♪本を読むだけでなく、そこから広がる魅力についても聞きました。

ころがろう書店

近代文学を中心に古書を取り扱う書店。文学の他、ファッション・建築・漫画・アート関連の古書も取り扱う。

本の魅力は、読むだけじゃない!


「現代文学の作品の中にの文豪たちの名前やエピソードが出てくることがきっかけで近代文学にも興味をもった」というころがろう書店のおぐらさん。本を読むのはもちろん、装丁で表現される作者のこだわりを感じるのが好きだと言います。作品の世界観を表したものや、作者の人生観、時代背景など、装丁を紐解くと見えるものも様々なのだとか。


また、同じタイトルの本でも出版社が違えば編集も解説も違うので、その違いを比較して楽しむのもおもしろいそう。本は読むだけでなく、そこから広がる世界があるのだと感心しっぱなしでした。「本屋の本棚には店主の意図が表れるので、本棚を通して店主と会話をするのもオススメです」と、本屋ならではの楽しみ方も教えてもらいました。

“装丁を味わう”4冊をセレクト


春琴抄/谷崎潤一郎
盲目の世界で一層深まる春琴と佐助の関係が表現されたような黒い漆の装丁に金の蒔絵。小説の世界観がそのまま表れた一冊。


心/夏目漱石
イギリス留学の経験がある漱石はヨーロッパの豪華な装丁に感銘を受け、装丁にこだわりを持っていたそう。この「心」も、漱石自身がデザインしたもの。


吾輩は猫である/夏目漱石
中身が袋状となっているため、ペーパーナイフで開きながら読み進める本。この頃は、このような袋綴りの装丁も珍しくなかった。


澄江堂遺珠(ちょうこうどういしゅ)/芥川龍之介(著)、佐藤春夫(編)
芥川龍之介の逝去後、友人でもあった佐藤春夫が編集した遺稿詩集。芥川のノートのメモ書きから集めた詩集は、ページが耳付き和紙、ノートのメモ書きがが函(はこ)になっている。

<おはなしを伺った方>


ころがろう書店 おぐらさん
もともと本が好きだったこともあり、福島移住後に古書店をオ―プン。自身も好きな近代文学を中心に取り扱っており、好きな作家は夏目漱石。

SHOP INFO

ころがろう書店

Googleマップ

福島県安達郡大玉村玉井五里田150

営/9:00~17:00
休/日曜、祝日ほか不定休あり
※お休みはInstagramにてご確認ください。

TSUTYA桑野店

様々なジャンルの本や雑誌約30万冊を取り扱う書店。レジの前のスペースではフェアを開催してオススメの本が並ぶので、足を運んだ際にはぜひチェックしてみて。

TSUTAYA桑野店の書店員が推薦!読書欲が湧いて来た方に、この秋オススメの本

 

[ミステリー]グラスホッパー/伊坂幸太郎
伊坂幸太郎作品の中でも人気の殺し屋シリーズ第一弾。モブだと思っていたのにこいつらが!?と、伏線を回収した時の驚きが止まらない作品。


[ノンフィクション]母という呪縛 娘という牢獄/齊藤彩
2018年に起こった事件を紐解くとともに、その背景を詳細につづった作品。母と娘の歪んだ関係や、教育虐待が絡む事件と重いテーマですが、年代・性別・立場を問わず読んでほしい!


【エッセイ】20代で得た知見/F
著者が20代最後の日に執筆を決意して生まれた作品。10~20代向けではあるものの、人間関係や人生に悩んだときなど考え方の幅が広がる1冊。


【恋愛・青春】ストロベリームーン/芥川なお
青春時代のピュアでまっすぐな想いに溢れた、甘酸っぱい恋物語。純愛を疑似体験したい方は是非!!

<おはなしを伺った方>


TSUTAYA桑野店 桑原さん
BOOK部門担当で、好きな本のジャンルサスペンス。最近読んだ本は「藍色時刻の君たちは」。

SHOP INFO

TSUTAYA桑野店

Googleマップ

福島県郡山市下亀田16-16

営/8:00~23:00
休/無休
P/300台

ギャラリーマナ

[番外編]子どもと一緒に読みたい絵本たち

「世代を越えて愛されるおもちゃ」のお店。国内外のロングセラーやロングセラーになってほしいと思う絵本がセレクトされて並びます。


あおくんときいろちゃん/レオ・レオーニ
仲良しのあおくんときいろちゃん。青色と黄色が混ざり合い、緑色になった時にどうなるか-。
人は教えられるほどに自分と他者との違いを意識するようになります。1人1人違う人たちが交わることで生まれる新しい考えは、多様的な考え方を大切にするSDGsに繋がり、今の時代に大切なことを気づかせてくれます。


あくたれラルフ/ジャック・ガントス
いたずら猫のラルフと、どんなに悪態をつかれても結局嫌いにはなれない「私」のお話。
嫌気がさすくらい、どんなに“あくたれ”であってもラルフが好きな「私」のように、友情や愛情に理由はなく、理由がないほど美しい。そんな見返りのない慈しみの気持ちに触れられる作品です。


おばけリンゴ/ヤーノシュ
ポーランドの作家による作品。他国からの脅威に晒され、緊張状態が長く続いているポーランドの情勢も感じられる話。主人公の願望が叶うまでと叶ったあとの心情が、リンゴを通して見えてくる。幸せとは、当たり前の日常の中にあるものではないのか。平和の本質を描いた一冊。

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ギャラリーマナ

Googleマップ

福島県郡山市緑ヶ丘東7丁目16-2

    営/10:00〜17:30
    休/日曜 ※土曜祝日は都合により休みの場合があるため、来店前にご連絡ください。

    ※この記事はaruku2023年10月号に掲載したものです。

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